韓国、週69時間労働を提案 上限拡大で過労懸念

21日、閣議で発言する韓国の尹錫悦大統領=ソウル(聯合=共同)

 【ソウル共同】韓国政府は、1週間の労働時間の上限を現行の52時間から69時間に増やす案を発表した。政府は「業務が一時的に繁忙な時に対応できるようにさせるためだ」と説明している。発表の後、尹錫悦大統領は閣議で「週60時間以上は健康保護の観点から無理だ」と下方修正する姿勢を見せたが、過労などへの懸念も広がっている。

 文在寅前政権が「過労社会からの脱却」を掲げ、2018年に週68時間から週52時間に縮小させたが、経営者層からは不評で、尹氏は規制緩和を掲げていた。

 雇用労働省は今月6日、労使の合意があれば、週単位で制限していた労働時間を1カ月、四半期、半期、年単位で管理する案を発表。総合的には現行の労働時間よりも増やさない。

 政府や与党は「繁忙期に多く働き、その分長期休暇が取れる」とアピールしたが、野党は「今でも労働環境は厳しい」として、1週間のうち1日を半日だけ働く「週4.5日勤務制」導入を主張した。

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