ご自身の子どものころの経験から、不登校で苦しむ子どもたちの背中を押そうとフリースクールの立ち上げに奔走するますもとさおりさん。市会議員への立候補を後押ししたのは、その活動の中でもらったひとことがきっかけだったそうです。
ご自身を「まったくの素人で庶民」と語るますもとさんが、議員となって変えたいのはどんな社会か。「#みんなが笑顔の東淀川大阪」をキャッチフレーズに、日々自転車で下町をかけめぐるますもとさんにお話を伺いました。
応援してもらう側から誰かを応援する側へ
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
ますもとさんが政治を意識したきっかけを教えてください。
ますもとさおり氏(以下、ますもと氏):
フリースクールを立ち上げたくて、校長先生に間に入っていただき、町会長さんにご相談したところ、その町会長さんが議員さんを紹介くださったんです。そしたらその議員さんが話を聞いてくださって、サポートしてくださって。ほかの議員さんまで紹介してくださって。
編集部:
なるほど、そんなことが。
ますもと氏:
もっと早く相談してくれたらよかったのにって。
それで、「あなたが(政治家になって)サポートする側に回ったら?」って。
そしたら、もっと多くの子どもを救えるかもしれないよ!と背中を押してもらえたんです。
子どももおとなも、みんながしんどい社会を変えたい
編集部:
ますもとさんは、ご自身の子育てやママ友との会話を振り返りながら、子育て支援の政策はかなり進んだし、働き方改革も進んでいるとはしながらも、依然として子育ては「しんどいまま」だと指摘します。
ますもと氏:
母親の負担が大きすぎる、あれこれ手一杯すぎるんです。自分がいっぱいいっぱいで。
理想的な子育てはこんなんじゃなかった、こんなにも毎日たいへんで、大好きな子どものことを怒ってしまう自分に自己嫌悪に陥ってしまう。寝ている子どもに泣きながら謝ったり。
子どもの保育所の頃からつきあってきたママ友たちは、私も含めてみんな正社員やパートで必死で働いてました。家なんかもう、しっちゃかめっちゃかで。子ども泣いてるけど働きに行かなきゃいけない、保育料稼がなきゃって。何のために働いているんだろうって言い合ってました。
保育料が無償化されましたが……経済的にしんどい、働かなきゃならないのは変わらないですね……大きくなったらさらに教育費は増えますから。むしろ塾や何かで格差が大きくなります。
いや……経済格差とか学力の格差とかじゃないですね。
編集部:
どういうことですか?
ますもと氏:
子どもたちに「学校楽しい?」って聞くと、小学生はたいてい「うん、楽しいよ」って笑ってくれるんです。でも中学生になるとほとんど全員が暗い表情で「しんどい」って言うんです。
「学校しんどい、先生なに言うてるかわからん、勉強ついていけん」って。あまりにも多くの子が表情が暗くて。
不登校一歩手前の声が多くて、到底思春期ならではの一過性のものではないような気がします。
ますもと氏:
先生たちもほんとにがんばっておられるんです。でも忙しすぎる。公教育の環境も中学校はたいへんなんだろうなということがひしひし伝わってくる。「わかんないことがあったら手をあげて聞きなさい」って言ってても、実際は忙しすぎて対応できないことが多くて。
子どもはそういう大人のしんどいところをよく観察してて、だから遠慮して飲み込んでしまう。
大人に余裕がなくなってくると、子どもに精神的な影響が出てしまうんです。
だから、不登校の問題ってほんとにピンポイントでしかなくて。どこかを直せばいいって話じゃないように思います。
悩みごと、困りごと、政治はなんでも関わっている もっと知ってほしい
編集部:
ますもとさんは、自分ひとりがこうしたいこうやりたいなどと思っても、ひとりでは条例なんて作れないし政策なんて通らないと思っていると、肩を落とします。
でも、「地域のかたと交流を続けていれば、ひとりでも声があれば通るんじゃないか」と、顔を上げます。
ますもと氏:
(フリースクールのことで)町会長さんが議員さんに会わせてくれるまで、政治や行政に何言ったってムダやろ、くらいにしか思ってませんでした。そもそも会う機会もなくて。
それが、変えてくれるなんてに変わったのは、議員さんや維新の会のみなさんに出会ったからです。
編集部:
政治家に陳情するようなことは、考えたことがなかったんですね。
ますもと氏:
陳情、というより私は、おひとりひとりの話を聞かせてもらって、代弁者として届けていきたいと思います。
あらゆる悩みごとや困りごとに政治が関わっています。だから、もっと政治に関心をもってもらいたいんです。
手を振ってくれる3年後の有権者 今から少しずつ関心を寄せてもらえたら
編集部:
地域のみなさんの反応はいかがですか?
ますもと氏:
淡路を中心に回っていますが、ありがたいことにいろんな方々から声をかけていただきます。すごくよくしていただいてます。
うれしいのは、小中高生から「ますもとさんがんばって」って手を振ってもらえるんです。相川駅は野球部の子が通るけど「こんにちは!」って挨拶をしてくれるんです。
「僕覚えてくれてますか?」って二度三度声をかけてきてくれる子もいるんですよ。
編集部:
それはすごいですね!どんな話をするんですか?
ますもと氏:
その子たちにがっつりお願いしてます。3年後投票してくれるかもしれないし(笑)。
票につなげるのはもちろん大事ですけど、その前に身近なことを議員に伝えていってOKだし、政治や選挙に少しでも関心をもってもらえたら。
編集部:
子どもたちを通じて、周囲の大人にも伝わるといいですね。最後に、ますもとさんの市政にかける思いを教えてください。
ますもと氏:
議員さんってエリートでしょ、お金持ちでしょ、なんて聞かれることがありますが、私自身は庶民の庶民です。しんどい経験をしているから、みなさんの困っていることに共感できるのが、私の唯一の強みだと思ってます。
政治はみなさんの思いをかなえることができます。私は、自分の経験でそれを実感することができました。
次は、私の話を聞いてくださったかたに、ちょっとでも政治に興味をもってもらいたいです。
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