日本も出場するU-20W杯、開催危機…開催国インドネシアでイスラエル参戦に反発

先日までウズベキスタンで行われたU20アジアカップ。U-20日本代表は準決勝でイラクに敗れたが、U-20ワールドカップの出場権は確保した。

そのU-20W杯は5月から6月にかけてインドネシアで開催される予定。だが、インドネシアサッカー協会(PSSI)は金曜に行われる予定だったW杯の抽選がキャンセルになったと発表した。

『Reuters』によれば、その理由はインドネシア国内で起きているイスラエルの大会参加への反発だという。

イスラエルはW杯予選もかねたUEFA U-19欧州選手権で準優勝し、初のU-20W杯出場を決めた。

だが、開催都市を抱えるバリ島の知事は、パレスチナとの紛争を理由に「イスラエルチームのバリでの大会参加を禁じる方針を採用すること」を促す書簡を青年スポーツ省とPSSIに提出。

PSSIは「バリ島知事はU-20W杯におけるイスラエル代表チームの存在を拒絶した。これはFIFAがU-20W杯の抽選を中止する理由になりえる。なぜなら、FIFAにとって、知事の拒否はバリ州政府が発行した組織保証をキャンセルすることと同義であるためだ」と声明に綴っている。

インドネシアは国民の大半がイスラム教徒。その大部分が穏健だというが、近年は宗教的保守主義が台頭しており、それは政治にも波及しているという。

今月初旬には首都ジャカルタでイスラエルの大会参加を認めないように求めるデモが行われた。イスラエルとパレスチナによる衝突は続いており、双方に死者が出るなどしている。

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FIFAは、インドネシア側の大会準備状況を注視しており、PSSI幹部は開催権を失った場合に再びFIFAから制裁処分を受けることを懸念している。インドネシアは政府の介入があったとして、FIFAから1年近い活動停止処分を受けた過去がある。

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