「ここで英語に触れて」学校去った後、英会話教室開く 夢は日本一周

幅広い世代に英語を教えるアンドリュー・ボーダレーさん(城陽市平川・OASIS英会話教室)

 「Go ahead!(やってごらん)」「Roll the dice!(サイコロを振って)」。元気いっぱいの未就学児を相手に行うレッスンは、子ども好きな自身のパワーの源でもある。アンドリュー・ボーダレーさん(51)は約30年前、青年が小中学校で教える英語指導助手(AET)として赴任した京都府城陽市を気に入り、英会話教室を構える。

 米国ウィスコンシン州出身。大学在学時、漢字の書き方や箸の使い方などを特集したドキュメンタリー番組を見て、日本の文化に興味を持った。卒業後すぐの1994年、AETプログラムで来日。城陽市内の中学校を中心に教え、95年の米バンクーバー市との姉妹都市盟約締結時は、通訳で両市の橋渡し役を担った。

 城陽には「静かで住みやすい町」との印象を抱いた。「市役所から城陽中が見えて、今よりも開けていたかな」と当時を振り返る。AETの任期は4年で終わったが、慣れてきた日本での暮らしを続けたいと新しい仕事を探した。

 木津川市や大阪での勤務を経て2003年、なじみ深い城陽で「OASIS英会話教室」を立ち上げた。ネーティブによる教室がまだまわりに少なかったこともあり、名前には「ここに来れば英語に触れられる」との意味を込めた。

 現在、4歳児~高齢者夫妻の約100人が学ぶ。AET時代の教え子が、子どもを通わせるケースも少なくない。今年は開設20年の節目にあたり、「またスタートラインに立った気持ちで、つぶれるまで頑張りたい」と意気込む。

 一方、教室を若手講師に任せる将来を見据え、「キャンピングカーで日本一周」とのアクティブな目標も掲げる。翻訳の仕事をこなしながら、車中泊でゆっくりと全国各地を巡り、長く住んでいてもまだ知らない日本の景色を焼き付けたいという。

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