茨城・日立市 パンダ誘致 意見交わす 機運醸成へ講演会

ジャイアントパンダの魅力を紹介した中川美帆さん(右)=日立市幸町

茨城県日立市かみね動物園にパンダ誘致を目指す、市ジャイアントパンダ誘致推進会議は26日、同市幸町の日立シビックセンターで、〝パンダジャーナリスト〟の中川美帆さんを招いた講演会を開いた。中川さんは同園の生江信孝園長と対談し、実現に向けた課題などについて意見を交わした。

市や商工会議所、住民、企業関係者などでつくる同会議は2020年に発足。誘致に向けた機運を醸成しようと初めて講演会を企画。参加した市民ら約120人が熱心に耳を傾けた。

中川さんはこれまで、パンダを飼育する世界20カ国以上の園を訪問。講演では、東京以北でのパンダ展示は1980年代に北海道函館市で短期間行われて以来とし、「日立に来れば画期的」と強調。かみね動物園の印象は「高台で海も桜も見えてすてき」と絶賛した。

その上で、餌となる竹の調達を課題に挙げ、海外では輸入している例もあると指摘。上野動物園(東京)や和歌山県のアドベンチャーワールドは他県産を、神戸市立王子動物園は地元産を活用し、費用は「1頭当たり1日2万5千円ほどかかる」と伝えた。

これに関し、生江園長は、約100種の動物がいる同園の年間の飼料代は現状で約2800万円と説明。「パンダは日によって好みが変わるため複数の種類の竹を用意する必要がある」と述べ、仮に獣舎を整備する際は「今の動物園の敷地は狭く、かみね公園の中で適地を探していくことになるだろう」との見通しを示した。

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