今回は薪ストーブの最新レポートです。筆者が今まで買ってきた薪ストーブの数が10個を超えていました。今年は薪ストーブの種類も増えて、低価格化も進んでいるので比較的買いやすい時代にはなってきてると思います。そのため筆者が思う「今になって結局どれが良かったのか」というところを再考してみます。
FUKUが実際が購入した11種類の薪ストーブ
まずこちらが、今までに買った薪ストーブたちです。
こうしてみるとsoomloom(スームルーム)がやたら多いですね。
決して回し者ではありません。(笑)
ただ選ぶ時の基準として「サイズ」「重さ」「デザイン」などの他に、「価格(そのものの良さに対してコストパフォーマンスがどうか)」を重視しています。
結果として、soomloom(スームルーム)は5個入っているので、やはり薪ストーブのコスパでは現状soomloom(スームルーム)が一番のブランドになるのではないかなと今でも思います。
ただ、これらの薪ストーブは一概に良い悪いと言い切ることはできません。なぜなら、それぞれの特徴メリットとデメリットが異なるからです。
昨今、たくさんのキャンプ向け薪ストーブが売られていますが、どれを選ぶかでその使い勝手や暖房能力、メンテナンス性、予算が異なってきます。
筆者はそんなに高いものは買っていませんが、購入した11種類の薪ストーブは全て特徴が違うので、薪ストーブを選ぶときの参考の一つにしていただければと思います。
【薪ストーブ使用時の注意点】一酸化炭素チェッカー
薪ストーブの紹介に入る前に一酸化炭素チェッカーの話をさせてください。
薪ストーブに限らず石油ストーブやガス器具も含めて炎を扱うものには、大なり小なり一酸化炭素が発生するリスクがあります。
一般的に多くのメーカーでは薪ストーブ・石油ストーブ・ガスバーナーなどを幕内で使用しないように謳っているテントが多いので、換気をしリスク対策をしたとしても自己責任で行うことになってしまいます。
最近では煙突用の難燃素材をつけたテントも増えてきましたが、それは煙突が設置しやすくなったというだけで間違った使い方をすればテントが溶けたり燃えたり、また一酸化炭素が多く発生するリスクというのは変わりません。
だから薪ストーブを使われる方は煙突ガードや難燃素材以外の場所に煙突が触れないように安全に設置すること、また一酸化炭素チェッカーも合わせて使用するようにしましょう。
一酸化炭素濃度は200ppmで体の不調が現れ800ppmでは重い症状とともに失神、3200ppmでは短時間で死に至るそうです。
筆者が使っているコスモス電気のチェッカーは、日本製で一酸化炭素100ppmで警報を出してくれます。
実際に、左右がぽっかり空いた状態のタープの下で炭を使っていたら、すぐにアラームが鳴った経験がありますので信頼して使っています。
ただ、今持っている丸いものは買った当時は1万円くらいでしたが、今すごく高くなってしまいました。同じコスモス電気なら、四角いタイプの方が安いのでいいかもしれませんね。
海外製のものならもっと安く2000〜3000円くらいのものがたくさんあります。私も以前に使っていましたが、安いものでもちゃんと反応はしていました。
ただ、心配でしたら、2個同時使用というのも安心感が高まるかもしれませんね。
チェッカーの使用とともに、必ず充分な換気をするようにしましょう。
FUKUが購入した「卓上薪ストーブ」
まずは、「卓上薪ストーブ」「暖房用薪ストーブ」の2つのグループに分けます。この区分は、テントなどの居住空間を温める暖房能力があるかないです。
最初に「卓上薪ストーブ」をご紹介していきましょう。
「卓上薪ストーブ」は、テーブルなどの台の上に置くこともできて、湯沸かしや調理、炎を見て楽しんだりする目的のアイテムです。
ただ、卓上といっても置いたテーブルが結構暖かくなっていたので、使うなら耐熱性のあるテーブルの方がいいかと思います。
暖房能力はないとは言いませんが、小さいがゆえに入れられる薪の量や長さも少なくなり冬のメイン暖房器具にするには厳しいかなと思います。
また、五徳がついた短い煙突になっていて鍋が置けます。調理に特化した形ですね。
煙突を長くしたい場合、仮に他社品でぴったり合う煙突があったとしても、メーカーもそういう想定で作ってないですし、たくさんの薪はくべられない。煙突を長くすると小さくて安定感も悪くなるので、おすすめはできません。
…といった卓上薪ストーブですが、私は3つほど持っております。順番にご紹介していきましょう。
【1】soomloom(スームルーム) MECA
まずはsoomloomのMECA。
これは同社の薪ストーブの中で最も小さく、収納サイズはまるでお弁当箱のようです。
もしこれを会社に持っていって昼休みにカバンから取り出しても、中身を見るまで薪ストーブだと気づく人はいないでしょう。
ただ設置サイズも小さい。
薪を燃やしてみると意外と火力はあってちゃんと調理はできますが、小さいので天板にメスティンなどの小さなクッカーしか置けません。
ガス器具で言えば、ほぼシングルガスバーナーというような感じになります。
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可愛くて大きなガラス窓から炎も見て楽しめるので、とことん小さな卓上薪ストーブがいいなと思う人にはおすすめです。
【2】ZENPAD 卓上ミニ薪ストーブ
ZENPAD 卓上ミニ薪ストーブは、MECAと同じく超小型で可愛いサイズ。
MECAはステンレス製でしたが、こちらはスチール製でブラック塗装。
ステンレスの方が錆びにくくメンテナンスは楽ですが、スチールの方が蓄熱性があって薪ストーブとしてはより暖かい。
しかし、ここまで小型だと暖房能力は限られているので、スチールとステンレスの暖かさはあまり考えなくていいでしょう。
そして、これはMECAに比べると煙突横の天板が少し広く、煙突五徳で調理をしながら横にケトルや小さなクッカーを置くこともできますね。
あとこちらはケースが付いていません。
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ただ両者とも使い勝手にそこまで違いはなかったのでこのサイズが気になってる人は見た目で決めてもいいかもしれません。
【3】soomloom(スームルーム) TOPON
続いては、soomloom(スームルーム)のTOPONです。
テーブルに乗せられる薪ストーブとなっていますが、先程の物たちより少し大きいです。
約30cmの薪でも入ります。
そしてこれもガラス窓が付いていて炎が楽しめる。
最近は、薪ストーブにガラス窓が付いているというのが当たり前の標準装備みたいになってきてますね。
一昔前は、ガラス窓はハイエンドなモデルにしか付いていなかったので、時代の流れですね。
TOPONの良いとこは、天板がより広くなっているので煙突五徳とともに天板でも同時調理がしやすいんですよね。
そして、この大きさになると実は暖房能力もそこそこ出てきます。
よく燃えている状態だと確かに暖かい。そして今の最新モデルは煙突変換アダプターも付いているようです。
同社の延長煙突を買えば、テントに設置して暖房器具としても使用できるようになっているようです。
筆者が持っているのは初期モデルなのでちょっと違いますが、soomloomの薪ストーブのラインナップ、最近すごいことになってますね。
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このモデルは12,970円。コスパが高くて遊べる小型ストーブだと思います。
FUKUが購入した「暖房用薪ストーブ」
ここからが暖房用として使用できる薪ストーブです。冬の寒さを乗り切るという重要な任務になっているのでしっかり考えて選びたいところですね。
【1】ホンマ製作所APS -48DX
まずはホンマ製作所APS -48DX。
レトロな雰囲気を醸し出す時計型という形の実力派薪ストーブです。
この時計型は日本独自の鉄板製薪ストーブの代表で、コストが安くて大きな薪が入り高火力。鍋の大きさに合わせた調理もしやすいということで、昔ながらの実用暖房器具として親しまれてきました。
その時計型薪ストーブのレトロなデザインそのままに、本体は従来よりコンパクトにしてステンレス製となり、足は伸縮式になってさらにロマンチックなガラス窓を3面につけました。
多くのキャンパーたちを魅了するモデルが、このAPS -48DXなんです。
奥行き60cmが48cmになったと言っても40cmの薪は余裕で入るので、キャンプ用薪ストーブとしては大きめな部類です。
暖かさで言うと、シェルター内がポカポカになります。そして直火調理もしやすい。
デメリットは、他のストーブと比較すると使用時と収納時のサイズが大きいことでしょうか。
大型のテントやシェルターに組み合わせるのが向いてると思いますし、100mm径の煙突はストーブ内には収納ができず別で持ち運ぶことになるので、移動する時もまた家で保管している時も何かと収納スペースを圧迫することにはなります。
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このストーブを見てすごくいいと思った人は、家の中の収納場所を確保した後に買ってみると、高い満足感が得られる逸品じゃないかと思います。
【2】キャプテンスタッグかまど角型ストーブ
次はキャプテンスタッグかまど角型ストーブ。
これも割と大きめで、煙突も本間製と同じく太いですが屋外での調理と暖を取るのに向いているストーブです。
直火調理は同時に2カ所可能で、角型で大容量の燃焼室には薪がたくさん入って高火力。
素材がスチール製なのもあって、屋外で使っててもかなり暖かいです。
そして、日本の大手ブランド製にしては値段も安めです。
最新のガラス窓付きで2万円切ってますし、筆者が旧型モデルを買った時は1万円を切ってました。
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テント内というよりも屋外で暖房兼調理目的に使いたい人には良い製品だと思います。
【3】soomloom(スームルーム)のDECO
続いてはsoomloom(スームルーム)のDECO。
ステンレス製で超コンパクトサイズ。調理用や天板を外して焚き火台にもなりますが、小さめなテント内なら暖房用としても使えてしまう多用途な薪ストーブです。
ここまで小さいのに、煙突は巻くタイプではなく独立してつなげるタイプ。
本来なら煙突は4本しか収納できない本体サイズですが、だんだんと細くなる煙突形状を活かして一部を重ねることで本体の中に6本収納を可能にしています。
そのおかげで、小さいのに組み立ててみると高さは165cmとなり小さめのテントなら煙突を外に出しても使えるわけです。
ちなみに同社の煙突ウォーターサーバーをつなげると高さが増しますので、大きめなテントの煙突穴でも届くようになります。
ただ、スパークアレスターという火の粉が飛び出すのを減らしてくれる煙突パーツはついていません。
薪は35cmくらいまでだとそのまま入れられます。
炎を楽しむガラス窓は大きめで両側面についています。
また、本体が小さいから不安定かなと思われがちですが、大きさの割にはどっしりとした重量があり足の広がり角度もいいので安定感はあります。
重たい分分厚いストーブですので今年一番たくさん使った機種にも関わらず、歪みは今のところ出てません。
筆者自身は今まで出会った薪ストーブの中で一番好きなモデルとなりました。
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これだけの作りで15,000円切ってるコスパも魅力なので、徒歩のキャンプには向きませんが、コンパクトギアが好きな方にはおすすめしたくなりますね。
【4】soomloom(スームルーム) wintourUL2.0
続いてもsoomloom(スームルーム)の超軽量薪ストーブです。
これはまず安い。10,900円で買いました。
税抜きなら1万円切ってるという破格のストーブですが、大きな特徴はコンパクト性です。
薄型のビジネスバッグのようなケースに全て収まります。
この手のストーブは以前から色々なメーカーが出していて、軽いものだとチタン製のタイプなどがあり、soomloomの製品はこのジャンルの中では特別軽いわけではありません。
ただ、値段が極めて安いんですね。
実際の使い勝手はどうかというと40cmの薪はそのままでは入らないものの、35cmなら入ります。
巻煙突は少々面倒ですが、視聴者さんに教えてもらった伸ばし方をすると結構簡単に作ることができました。
ストーブ本体の素材が薄いのでとにかく歪みます。
これは薄型軽量の薪ストーブ共通の弱点かと思いますが、その分コンパクトになるので仕方ないと思いますね。
歪んだとしてもひどくなければ使えますし、暖房能力としては十分なレベルでした。
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収納サイズが小さい薪ストーブをお探しの方には価格面も含めておすすめできると思います。
【5】3FULギアの超軽量薪ストーブ
続いては3FULギアの超軽量薪ストーブ。先程のsoomloomとジャンルは同じですね。
これは、U字溝のように曲げたステンレス板に天板をはめ込む「逆かまぼこ型」のような形のストーブです。
使い勝手は先ほどのsoomloomと似ていて巻き煙突と歪みやすいこと。
ただこちらは40cmの薪がそのまま入り、重量は1.8kgとステンレス製モデルの中では軽い方なので、筆者はキャンプ用品一式とともにザックの中に入れて飛行機で北海道へ行ってキャンプをしてきました。
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携帯性に優れるとともに暖かさも十分。値段は今は3万円くらいになってますけど元々2万円くらいで買えたはずなのでそのくらいであれば性能とコストのバランスは良いストーブだなと思っています。
【6】Anlik 薪ストーブ
スチール製のコンパクトな薪ストーブです。
これは本体サイズが小さめで煙突は中に全て収納できて直火調理ゾーンは1箇所、小さめのガラス窓が正面に一つ。
価格は14,200円。
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これはあまり個性はない。がゆえに良いとも言える。
そう普通なんです。だから割といい。
コンパクトな薪ストーブという商品でした。
ちなみに、もう少しグレードを上げたいなら5000円アップするとステンレスモデルも存在しています。
【7】soomloom(スームルーム) 薪ストーブ暖炉
最後に紹介するのは、またしてもsoomloom(スームルーム)。
有名ブランドの薪ストーブに似ていますが、どこか違う。
それは立ち姿。まるで生まれたてのバンビのようで可愛く見えてしまうこの薪ストーブ。
見た目の可愛さとは裏腹に本体はかなり分厚いステンレスでできていて、よく燃えている状態なら温かさも抜群です。
大きなテントにも対応できる煙突の高さもあります。
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本体重量10キロとかなり重いですが、それだけ丈夫なのと重厚が合わさって、どっしりした見た目のストーブがいいなと思える人は買ってみて損はない製品だと思います。
今回ご紹介したもののうちいくつかは売り切れ欠品中になっていますが、どれも定期的に再入荷していますので、気になるモデルが売り切れの場合は欲しいものリストに登録しておくといいですね。
火入れをして様子を見てみましょう
ミニ卓上薪ストーブと本間のAPS -48DX、そしてSoomloom(スームルーム)のDECOです。
今日は雪が降っていてとても寒いですが、3つ火をつけたらかなり暖まれるんじゃないかと思っています。
暖まりつつ、薪がどのくらい入るとかどんな燃え方するか、どういう用途で使えそうかっていうのを機種ごとに見て、イメージを持ってもらえたらなと思います。
特徴の違う3つを観察していきましょう。
ZENPAD 卓上ミニ薪ストーブ
このストーブは小さくてさすがにテント内を温める能力はありませんが、近くで温まれるぐらいの能力はあります。
soomloomのものより天板が少し広めなので、メスティンを置くような面積もありますし、煙突五徳の部分は強力な火力です。
ただすぐに燃料がなくなるので、ちょっと忙しいストーブではあります。
ちなみに、テーブルの下はまあまあ熱いので、やはり卓上といえども耐熱テーブルがいいと思います。
あとはガラス窓に付く煤(すす)ですが、このミニ薪ストーブは煤けてしまっています。
家から持ってきた小さな薪があまり火付きが良くなくてこうなってしまったのですが、しっかり燃やすしかないですね。
燃焼の効率がいい薪ストーブだと煤がついてもすぐ取れたりもしますが、これはその薪ストーブの性能と使う燃料が影響されてきてしまいます。
ホンマ APS -48DX
やはりこれは暖かさが違うな。
ガラス窓の下に吸気口があり、閉めたり開けたりして調整ができます。
薪は結構な量を消費しますが、やはり暖かさが全然違うんですよね。
開けると太い広葉樹の薪でもそのまま入れられます。
この余裕なサイズ感とパワフルな暖房能力がいいんですよね。
新品の時はもちろんピカピカの銀色なんですが、使い込んでいくとこういう色合いに変化してくるのでレトロなデザインと相まってこれもいいんですよね。
ただ、やはりサイズが大きいのと小さなテントでは使いにくいっていうところもあって、我が家ではファミキャンかグループキャンプの時にこれを使うようにしてます。
そしてこの大きさになると本格的な直火調理が楽しめるんですね。鍋のサイズに合わせてこのリングを外せばめちゃくちゃ楽しめます。
大きなシェルターや大人数なら筆者はこの機種だと思っています。
soomloom(スームルーム) DECO
小型サイズにしてはまあまあ暖房能力もあるんですよね。
これはほんと、ソロキャンプのコンパクト装備に相性の良い薪ストーブだと思います。
天板は普通に外せますので、取れば焚き火台にもなります。
今回の薪ストーブの中では唯一ダンパーが付いています。
全開で開いていますが、これを閉めていくことで火加減を調整して燃費が良くなったりテント内の温度を安定させたりする効果があります。
ただ、ストーブが十分に熱くならないうちに閉めたりすると逆流するリスクがありますし、怖いのは気づかないうちに閉まっているという事ですよね。
ストーブに慣れていて使いこなせる人はいいんですが、そうでなければ基本開けておいた方がいいと思います。
FUKUが購入した薪ストーブまとめ
いかがでしたか。
以上が今まで筆者が購入した薪ストーブ達のご紹介でした。
こうして見てみるとお高めなブランドものはありませんが、特徴はそれぞれに違うものたちを買って楽しんでたんだなというのを改めて振り返ることができました。
皆さんそれぞれにキャンプスタイルが違います。
- ソロかファミリーか
- 組み合わせるテントの大きさは
- 移動は車かバイクか自転車徒歩か
- 素材はステンレスと鉄どっちが好きか
- 料理はするのかしないのか
- 炎を大きく眺めたいか
- 普段しまっておく家の中の収納は十分か
- 予算はどれくらいあるか
…など、自分のスタイル・条件に合わせたモデルで選んでいけば、快適で楽しい薪ストーブライフが送れるのではないでしょうか。
というわけで、今回も皆様のキャンプ道具選びの何かの参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。