20分着るだけで血流量22%UP 電気代は不要!高速水着のメーカーがピップエレキバン以来42年ぶり認可

高速水着やウエットスーツなどで知られる素材メーカーの「山本化学工業」(大阪市)が着るだけで血流を改善する家庭用医療機器「メディカルシンセンサー」を開発し、販売を始めた。構想25年。20分着るだけで血量を22・2%改善できる優れものだ。電気を使わない家庭用医療機器としてはピップエレキバン以来42年ぶりの認可という。

名は体を表すと言うが、そうでないこともあるようだ。今回、開発された家庭用医療機器はボディメンテナンスウエア「メディカルシンセンサー」という堅い名前だが、スエットのような楽なウエアを着るだけで血行を促進し、腰痛を和らげたり、筋肉のコリをほぐしてくれるという。

厳格な臨床実験を経て昨年10月に厚生労働省から認可を受けた。山本化学工業によると電気を使用しない家庭用医療機器が国に認められたのは、磁気の力で血行を改善するピップエレキバン以来、実に42年ぶりのことだそう。

構想は実に25年。開発に力を入れたのは10年前からだった。山本富造社長は、その背景について「超高齢化社会を迎えているのはもちろんのこと、共働き夫婦や若い人たちも毎日が忙しく、年々、体の不調を感じている人が多くなっている」と話し「血行を良くすることで疲労回復や体調の改善につながれば」と使命感に燃えている。

ウエアは長袖と長ズボンでS~Lの3サイズ。色はブラックのみだが、時間や場所を選ばず、普段着として愛用してほしいとの思いから「自宅から1・6キロ範囲で着られる服」として、欧米などで流行しているワンマイルウエアをイメージした。山本社長は「昨年9月にアメリカに行った際、ほとんどの人がスエットを着て近隣のモールへ出かけていた。医療のワンマイルウエアは初めてではないか」と話す。

もちろん、同社はこれまで映画「トゥームレイダー2」の主人公(アンジェリーナ・ジョリー)が着用したコスチュームや北京五輪などで話題になった高速水着など新素材を開発してきており、そのノウハウがいかされた。今回のウエアも太陽光の赤外線を特殊な素材が吸収し、放射することで血流が改善できる仕組みだ。

では、どれだけの効果があるかというと、なかなかの優れもの。20分間の着用で血流量が22・2%改善することが確認され、それにより血行促進や疲労回復などの効果が得られるといい、アスリートのウオーミングアップなどにも恩恵がありそうだ。

「安全性を担保する生体適合試験などもクリア。電気を使用しないので電気代もかからないし、何時間着ていても大丈夫。素材は環境やSDGsにも配慮しており、ぬるま湯で手洗いし、陰干しれば、半永久的に使えます」と山本社長。

メディカルシンセンサーの気になる価格は上下1セット16万円と決して安くないが、健康には代えられないし、様々なメリットもある。すでに販売の受け付けを開始しており、発売記念キャンペーンも実施している。

◇山本化学工業 yamamoto-bio.com

(よろず~ニュース特約・チコ山本)

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