2023年WorldRX最終戦はアジアへ。初開催の香港はビクトリア・ハーバー脇でのダブルヘッダー戦に

 昨季2022年から500kW(約680PS)/880Nmを発生するツインモーター搭載の新世代車両を導入し、フルEVカテゴリーへと変貌を遂げたWorldRX世界ラリークロス選手権は、2年目を迎える最終戦にて初開催地のアジア太平洋地域に足を踏み入れると発表。11月11~12日に世界的観光地、香港を代表するビクトリア・ハーバーのお隣、セントラル・ハーバー特設コースでタイトル決定戦を実施する。

 ラリークロスの伝統的なトラックが名を連ねる欧州連戦を経て、南アフリカを旅した一行は、最先端のテクノロジーにより持続可能性を重視したアプローチを模索する世界有数の大都市部でイベントを開催し、そのグローバルな地位を強化する姿勢を示した。

 香港自動車協会(HKAA)が主催し、香港特別行政区(HKSAR)の文化スポーツ観光局によってサポートされる一戦は、これがシリーズとの3年契約初年度となり、WorldRXとしても史上初の市街地戦を土日にまたがるダブルヘッダーで実施する計画だ。

 3月21日に市内のマンダリン・オリエンタル・ホテルで開催された発足式典では、シリーズプロモーターのラリークロス・プロモーターGmbHでマネージングディレクターを務めるアーネ・ディルクスが登壇し「2023年FIA世界ラリークロス選手権の最終2戦の開催地が、香港であることを確認できて興奮している」と挨拶した。

「今日ここにいるだけで、我々がいかに壮観な場所にいるのか。そしてビクトリア・ハーバーとセントラル・ビジネス地区が、この緊迫したシリーズのフィナーレと史上初の市街地戦に、どれほど壮大な背景を提供するかは明らかだ!」と続けたディルクス。

「このビジョンを実現するべく、HKAAとHKSARの双方と非常に積極的かつ積極的に協力できたこともうれしく思う。さぁ、香港でレースだ!」

昨季2022年から500kW(約680PS)/880Nmを発生するツインモーター搭載の新世代車両を導入しているWorldRX
この最終戦は香港自動車協会(HKAA)が主催し、香港特別行政区(HKSAR)の文化スポーツ観光局によってサポートされる

■クリストファーソンらシリーズ参戦ドライバーも歓迎のコメント

 この世界選手権に参戦するトップドライバーからも、最終戦が香港で開催されるというニュースに熱狂的な反応が上がり、各人とも初開催の市街地戦にはシリーズを「新しいレベル」に引き上げる可能性があることを示唆した。

「香港に行くことができるなんて、とても興奮している。これまでレースをしたことがない場所だし、多くのことを学ぶ新しい経験になるだろう。現場でも、できるだけ多くのファンに会えることを願っている」と、このラウンドで戴冠を決める筆頭候補でもある、シリーズ“5冠王者”のヨハン・クリストファーソン。

 同じくその有力候補であるハンセン・ブラザーズも、香港行きに興奮を隠せない様子だ。

「今年の世界選手権の最後の2ラウンドで、香港に行けるなんてとてもワクワクするね! あのウォーターフロントを巡る壮大なレースになるだろうし、これ以上ないほど興奮している。素晴らしいイベントになるだろう」と、兄で2019年チャンピオンのティミー。

 また、弟のケビンも「シーズンフィナーレのために香港へ行けるなんて! それは新しい場所にある真新しいトラックであり、スポーツと、それを体験できるすべてのチーム、ドライバー、ファンにとって素晴らしい経験と満足をもたらすはずさ」と歓迎の意を示した。

 同じくシリーズ通算7勝を記録し、今季も北欧STCCスカンジナビアン・ツーリングカー選手権の強豪、PWRレーシングを母体とするコンストラクション・イクイップメント・ディーラーチーム(CEディーラーチーム)から参戦するニクラス・グロンホルムも、「ラリークロス・コミュニティ全体が、香港に行くことに非常に興奮していると思う」と、その意義を強調した。

「ついにアジア太平洋地域でイベントが開催されるのは、本当に興味深いことだと思っている。それに加えて、これまでで初めての市街地レースになるから、本当にエキサイティングだ。今からその日を迎えるのが待ち切れないね!」

「この緊迫したシリーズのフィナーレと史上初の市街地戦に、どれほど壮大な背景を提供するかは明らかだ!」とアーネ・ディルクス(左からふたりめ)
「これまでレースをしたことがない場所だし、多くのことを学ぶ新しい経験になるだろう」とヨハン・クリストファーソン(左下)

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