開国の激動期 波乱の人生…「お吉」をしのび供養祭 「代々引き継ぐ踊りを大事に」芸者たち気持ち新たに=静岡・下田市

幕末開国の悲劇のヒロインとして知られる「お吉」をしのぼうと、命日にあたる3月27日午前、下田市で供養祭が行われました。

お吉こと「斎藤きち」は17歳の時、幕府の命令を受け、開国の舞台となった下田でアメリカの初代領事ハリスに仕えたことから「唐人お吉」とさげすまれ、川に身を投げ51年の生涯を閉じました。

下田市では、悲しい運命をたどった「お吉」をしのび、毎年、供養祭が行われています。お吉が身を投げたとされる川沿いで開かれた法要では、僧侶の読経が流れる中、芸者衆や観光関係者がランの切り花を川面に投げ入れ、夫婦に見立てたコイ2匹を放流しました。

参加した地元の芸者は「お吉さんは、下田芸者の大先輩ですので、ご供養の気持ちと、これからもよろしくお願いしますという気持ちを込めました。代々引き継いでいる踊りをこれからも大事に踊っていきたい」と気持ちを新たにしていました。

訪れた市民や観光客も、波乱に満ちた生涯を送った「お吉」を悼み、祈りをささげていました。

「お吉」をしのんだ供養祭

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