満開の桜をライトアップ 田辺市龍神村の日高川沿い

明かりに照らされて夕闇に浮かび上がるソメイヨシノ(和歌山県田辺市龍神村福井で)

 和歌山県田辺市龍神村福井の日高川沿いにあるソメイヨシノを、地元住民がライトアップしている。満開となった花が、照明を浴びて輝いている。

 ライトアップは、福井に住む黍野美恵さんと森本篤さんが協力して2020年から始めた。昨年は桜が咲くころに森本さんが亡くなったため実施できなかった。今年は森本さんの遺志を継ぎ、黍野さんと森本さんの妻、千佐子さんら3人で、25日に照明器具を取り付けた。

 このソメイヨシノは地元では、植えた住民の名前にちなんで「傳吉(でんきち)桜」と呼ばれている。今年は24日に咲き始めて一気に開花が進み、25日には満開になったという。

 黍野さんは「篤さんは人に喜んでもらうのが好きな人だった。遺志を継ぎ、今年も明かりをともした。天国から見てくれていると思うので、これからも続けていきたい」と話している。

 照明は、午後6時~11時ごろに毎日点灯している。花は、週末ごろまで楽しめそうだという。

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