3月25日、2022／2023年ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン9の第6戦サンパウロE-Prixがブラジルで開催され、ニック・キャシディ（エンビジョン・レーシング）とのトップ争いを制したミッチ・エバンス（ジャガーTCSレーシング）が今季初優勝を飾った。
サンパウロ市街地サーキットを舞台に行われたブラジルでのフォーミュラE初レース。記念すべき最初のポールシッターとなったのは、昨シーズンの王者であるストフェル・バンドーン（DSペンスキー）となった。
決勝の序盤はアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ（タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム）がバンドーンをかわしてレースをリードしていたが、7周目にバンドーンがトップに返り咲く。その背後4番手からポジションを上げたのはキャシディとなり、3番手エバンスをオーバーテイクすると、14周目にはキャシディが一時2番手にまで浮上してくる。
しかし、そんなトップ争いに名乗りを上げたのは4番手から虎視眈々とトップの座を狙っていたエバンスとなった。エバンスはエネルギー不足でトップ争いから脱落したバンドーンをかわすと、トップをいくキャシディに迫り、テール・トゥ・ノーズでバトルを繰り広げる。
このキャシディとエバンスの争いは何度かポジションが入れ替わる白熱の展開となったが、32周目にキャシディをオーバーテイクしたエバンスがそのままトップチェッカーを受け、キャシディは惜しくも僅差の2位でフィニッシュとなった。また、3位にサム・バード（ジャガーTCSレーシング）が続いたことでジャガーパワートレイン勢が表彰台を独占した。
「厳しいスタートだったけどマシンは速かった。最終的に勝利とポイントを獲得できたことは信じられないけどね！」と勝利の喜びを語ったエバンス。
「ニック（キャシディ）が僕をずっと攻めていたから、僕も互いにプッシュをし合ったんだ。序盤からエネルギーのアドバンテージがあったけど、そのアドバンテージを使うタイミングを見極めることが重要だったね。大きなポイントを獲得できてとても嬉しいよ」
そして惜しくも2位フィニッシュとなったキャシディも、「あのようなレースができたのだから喜ばないわけにはいかない。ジャガーの1-2-3フィニッシュはとてもクールだ。3位で終わるリスクは高かったけど、最高の結果を得たと思う」とレース内容に満足している様子をみせた。
2022／23年フォーミュラEの次戦は、4月22〜23日にドイツ・ベルリンでダブルヘッダーレースとなる“ベルリンE-Prix”が開催される予定だ。
2022／23年フォーミュラE第6戦サンパウロE-Prix 決勝結果
Pos. No. Driver Team Lap／Gap Grid
1 9 M.エバンス ジャガーTCSレーシング 35Laps 3
2 37 N.キャシディ エンビジョン・レーシング 0.284 5
3 10 S.バード ジャガーTCSレーシング 0.507 10
4 13 A.F.ダ・コスタ タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 3.487 2
5 25 J-E.ベルニュ DSペンスキー 4.042 7
6 1 S.バンドーン DSペンスキー 4.576 1
7 94 P.ウェーレイン タグ・ホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチーム 5.659 18
8 5 J.ヒューズ ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム 6.141 6
9 58 R.ラスト ネオム・マクラーレン・フォーミュラEチーム 7.403 11
10 16 S.ブエミ エンビジョン・レーシング 7.976 12
11 7 M.ギュンター マセラティMSGレーシング 15.192 9
12 36 A.ロッテラー アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE 15.345 21
13 11 L.ディ・グラッシ マヒンドラ・レーシング 19.247 22
14 4 R.フラインス ABTクプラフォーミュラEチーム 20.751 20
15 8 O.ローランド マヒンドラ・レーシング 21.465 19
16 3 S.セッテ・カマラ NIO333レーシング・フォーミュラEチーム 31.514 16
17 33 D.ティクトゥム NIO333レーシング・フォーミュラEチーム 34.398 17
NC 51 N.ミューラー ABTクプラフォーミュラEチーム DNF 13
NC 48 E.モルタラ マセラティMSGレーシング DNF 4
NC 27 J.デニス アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE DNF 14
NC 23 S.フェネストラズ ニッサン・フォーミュラEチーム DNF 15
NC 17 N.ナト ニッサン・フォーミュラEチーム DNF 8
