ゲンジボタル幼虫 光跡描き上陸 岡山の用水路で友延さん撮影

用水路から上陸したゲンジボタルの幼虫の光跡=23日午後8時ごろ、岡山市中区高島地区(友延さん撮影)

 岡山市中区高島地区の用水路で、ゲンジボタルの幼虫の上陸が始まった。23日午後8時ごろ、光跡を描きながら進む様子を毎年観察に訪れている友延栄一さん(55)=北区=が撮影した。友延さんによると、今年はここ10年で上陸が最も早いという。

 ゲンジボタルは幼虫にも発光器があり、淡いながらも成虫と同じ黄緑色の光を点滅させる。5分で50センチほどのペースで移動し、コンクリートの壁を乗り越えるなどしながら軟らかな土がある場所を目指す。23日は30分で約40匹が確認された。

 桜が開花する時期から4月上旬まで雨が降った日の夜、陸に上がる姿が県内各地で見られる。幼虫は土に潜ってさなぎになり、50日前後で羽化する。

 市民団体・岡山の自然を守る会に所属する友延さんは「この時期に川岸で光の点滅を見ることができたら、幼虫の冒険に思いをはせてほしい」と話している。

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