「幼稚園の遠足で」「夫とデートで」…思い出多き“三保の水族館” 有料入館ラストの週末は多くの来場者

静岡県民に愛された水族館の話題です。「三保の水族館」として長年親しまれてきた東海大学海洋科学博物館(静岡市清水区)。3月末の有料入館の終了を前にした“最後の週末”は多くの来場者でにぎわいました。

25日土曜日、「三保の水族館」には行列ができていました。半世紀以上続く水族館に“一旦の別れ”を告げるべく多くの人たちが詰め掛けました。

1975年には、当時、皇太子だった上皇さまと上皇后さまが見学されました。当時「東洋一の大水槽」と呼ばれていた水槽には、400種類5000匹が飼育され、半世紀を超えて愛されてきました。

<学芸員 手塚覚夫さん>

「施設もだいぶ古くなってきていますし、メンテナンスや維持にもたくさんの費用がかかってしまうので、そういう中で残念ながら有料入館を終了する運びとなりました」

(施設を管理する)東海大学は3月末をもって有料入館を終了すると発表。来場者はそれぞれの思いを胸に水槽を眺めていました。

<来場者>

「初めてです。でも、記憶にないけど幼稚園の遠足で来たって」

「一緒に夫とデートで来て覚えていたところだったので寂しいですね」

「ここで妊娠の話を聞いた。そういう思い出があった」

終了を惜しむ声は絶えず、1日平均700人ほどだった来場者数は3月に入ってからは3000人にまで増えているということです。

こういった多くの惜しむ声を受け、東海大学は大水槽やカクレクマノミの展示などがある1階スペースに限り、今後、無料公開することを決めました。

<学芸員 手塚覚夫さん>

「研究用とか学校の教育用に公開することは決まっていましたが、それだけではなくて一般の方にもぜひ見ていただきたいということで。地元の皆様に愛されていたのはひしひしと伝わりますので」

恐竜の化石骨格の展示で愛された「自然史博物館」も3月末で有料入館を終了します。「水族館」の無料公開は完全予約制で4月4日からホームページで募集を開始。5月から公開される予定です。

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