学生の頃に起業を経験し、その後も経営者としての道を歩んできた大阪維新の会所属の岩池きよ(いわいけ・きよ)さん。
そこから政治家を目指したのは、財政難に直面している地方の課題を解決するために民間の視点を生かしたいという思いでした。
これまでの経験をどのように活用して、どう地方行政を変えていきたいのか。今回は政治家になってこれから実現したいことについてお話を伺いました。
起業経験から維新の身を切る改革にシンパシー
選挙ドットコム編集部(以下、編集部):
これまで歩んできた経歴を教えてください。
岩池きよ氏(以下、岩池氏):
私は学生の頃に起業を行い、28歳の頃には日本史上最年少の女性役員として東証マザーズへの上場を果たしました。
大学の外国語学部で学んだ英語を活かして、雑貨や古着の輸入に携わる事業を展開し、その後にITベンチャー企業に参加して上場を経験。
そして、34歳で独立し、新規事業立ち上げなどのコンサルタントとしてブライダルジュエリー会社や飲食店などと一緒に仕事をしてきました。
もともと実家がお米屋さんで、大阪の商売人の娘という気質があり、学生の頃から経済や経営というものが身近にあったのだと思います。
編集部:
そこから、どうして政治家を志すようになったのでしょうか。
岩池氏:
一番大きなきっかけはコロナです。
もともと維新の政治には興味を感じていました。
政治家というと、どうしても既得権益に守られた職業というイメージがありますけれど、維新は地方行政の財政難の状況を身を切る改革で改善するなど、まるで役員報酬や経費を削減して売り上げを伸ばしていくような民間企業と似たマインドがあり、シンパシーを感じていました。
実際に大阪ではインバウンドが増えて、私の仕事も増えるなど、地方が変わっている実感もありましたね。
そうした中、新型コロナウイルスが蔓延したとき、国の対策がもたもたしている一方で大阪府の吉村洋文知事が前面に立って様々な呼びかけをされているのを見て、「私も地方政治にコミットしていきたい」と思うようになりました。
仕事もWeb会議が増えたり、海外案件がなくなったりするなかで時間ができたため、維新が運営する政治塾に参加して地方行政について勉強する中で、本格的に政治家を目指していくこととなりました。
民間企業の参入で行政サービスの充実を
編集部:
政治家になったら、どのような活動をしていきたいですか?
岩池氏:
民間企業で培った経営感覚を生かして地方政治に取り組んでいきたいです。
これからは少子高齢化で働き手の若者が減って、一方で高齢者は増えていくわけですから、どうしても税金による収入は減って、社会保障などの支出が増えていきます。
財源は減っていくわけですが、その中でもご高齢の方への住民サービスは充実させないといけない。
そのためには様々な企業に行政サービスへ参入してもらう公民連携をもっと進めていかなければならないと思います。
企業としては参入して事業収入が得られるというメリットがあり、地方としても財政難を解決することができます。
私はこれまで経営者として事業の再生などに取り組んできたため、そのノウハウを生かして住民サービスを維持、拡充しつつ、財源を豊かにする地方行政を実現していきたいです。
編集部:
地域に根差した「公民連携」の例を教えてください。
岩池氏:
超高齢化の中で医療や介護、病気の予防や生活支援などが一体となった地域包括ケアシステムが注目されていますが、そういったところにも民間企業が入ってもらうことによって、サービスをより効率化し、充実させることができると考えています。
東淀川区は古くから住む高齢者も、新しい子育て世代も、一人暮らしの人も、多様な世代が住んでいて、様々な暮らしかたがみられる地域です。
「公民連携+地域包括ケアシステム」の先進事例として、「よどまちステーション」がいい事例だと思います。この施設は、訪問看護ステーション、ケアプランセンター、まちの保健室や地域交流カフエ、そして住宅が一緒になった総合的な場所、まさに「地域のステーション」です。
高齢者だけ、がん患者だけ、と限定せずに、地域で暮らすみんなが元気になるための場所。カフェも併設され、オープンで心地よい空間です。住まいの中に、医療・介護・予防・生活支援が包括的に、そして楽しい空間で、病院ではできない、保険外のことを行っている場でもあります。このような地域に根差した事例に注力していきたいと考えています。
子どもの居場所を守りたい
編集部:
他にも力を入れて取り組みたいことはありますか?
岩池氏:
地域住民が支え合い、助け合えるような「居場所」を、地域住民の方々と一緒になってコミュニティーづくりができることが理想ですね。
日本では、子どもの死因は、「自殺」がトップです。これほど深刻な社会課題があるでしょうか?未来を担う子供たちの命を守るのは、大人の責任です!仲間が集える「居場所」が大切だと常に思っています。
政治活動を通じて、実現できた「居場所」づくりの事例です。「東淀川区絵本読み聞かせ事業」の一環で設立された子供たちの絵本図書館「Ciccia Books」。区からの助成金が打ち切られ、運営が厳しくなり2022年3月末に閉鎖することが決まっているが、何とかできないかというご相談でした。
私は、企業のコンサルで培った企業経営のノウハウで、何とかこの図書館を継続できる仕組みを考えました。そして事業継承をしていただきながら、図書館を維持継続するための新たなビジネスモデルも構築し、民間企業にこの事業を継続していただくことになりました。
政治や政治家をもっと身近な存在に
編集部:
これまで経営者として活動してきた経験が様々な政策に生かせそうですね。
岩池氏:
そうですね。
ただ、一方で私自身、もっと早く政治に関心を持てばよかったと後悔もしています。
どうしても企業経営をしていたときは政治家がとても遠い存在だと思っていました。
そのため、私自身が政治家を目指す中では、様々な住民の方から相談を頂けるような、身近な存在になりたいと考えています。
大阪市会の本会議や委員会は、傍聴もできますし、市役所内モニターで放映も行っています。選挙の後、自分の選んだ政党や政治家がどのような働きをしているのかを確認するためにも、ぜひ足を運んでいただければ嬉しいですね。
また、大阪市会では、「夏休み親子議場見学会」なども開催しています。次代を担う子どもたちにも「議会や市政」への関心のきっかけづくりになるといいですね。
もっと政治に関心を持ってもらい、有権者の方々が、どの政党、そして誰に託したいのかをじっくり考えて投票をすることで、もっと政治が身近になっていただけるように頑張りたいです。
安心して住み続けられる街づくりをしていきたい
編集部:
息抜きにしている趣味などはありますか?
岩池氏:
マラソンやキックボクシングなど身体を動かすことも好きですし、料理やガーデニングなども好きです。
政治活動の中では様々なご家庭を訪問し、要望を聞くことが多いですけれど、そのときに玄関先で綺麗な花を育てられているのを見ると、その話題で盛り上がり、住民の方ととても仲良くなれたりもします。
政治家を目指して活動するのは体力的にも精神的にも大変なことが多いですが、そうした中でホッとすることができる瞬間ですね。
編集部:
最後に市民に向けて訴えたい想いを聞かせてください。
岩池氏:
民間企業を経営してきた視点を生かしながら、地方行政の財政難に立ち向かい、お子様からお年寄りまで安心して住み続けられる街づくりを目指していきたいと思います。
少子高齢化の中でも民間の力を活用しながら、きちんとした生活基盤を自治体で作っていく。
そして、少しでも何かあったときは相談しやすい身近な政治家を目指して頑張っていきたいと思います。
【岩池きよ氏のプロフィールページはこちら(外部リンク)】