マジェスティ ロイヤル ドライバーを西川みさとが試打「所有感がアップデート」

マジェスティの人気作 HS30m/s台の女子プロ評価は!?

高級ブランド「マジェスティ」から、人気の高いフラッグシップモデル「マジェスティ ロイヤル ドライバー」をピックアップ。前作以上に低深重心化されたチタンモノコック(卵の殻のような単一板状)ボディにより、インパクトの力をロスなく初速に変換するという新作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ヘッドの意識が持てず タイミングが合わない場面も…」

2球ほど左に曲がってしまう弾道が見られた

―率直な印象は?
「前作同様の軽量スペック(クラブ重量:281g ※硬さSRの場合)で、フェースの反発力はもともと高いブランドだったので、試打前から非常に振りやすいイメージを持っていたのですが、どうしても全体的な軽さが気になり、少しタイミングが合わせにくい場面が見受けられました。ヘッドとシャフトの全てがイメージより軽く、ドローではなくフック回転が強くかかってしまう弾道が2、3球ほど出てしまい…」

独特の所有感を持たせる高級モデル(税込価格:13万8600円)

―ヘッドとシャフト全てが軽すぎる?
「そうですね。他社の軽量モデルと比べても、ヘッドとシャフトの重量バランスが軽く、すごくヘッドの意識が持ちにくい印象を受けます。少し一生懸命に振りすぎてしまうと、ミスショットにつながるケースも…。もう少しポーンと、軽めにボールを運ぶような打ち方が、このモデルには適しているのかもしれません。打つ前に十分な弾道イメージを持って臨むことが求められる気がします」

前作と同じく中央に「MJ」マークの入った鏡面に輝くフェース面

―前作(2021年モデル)と比べると?
「前作のほうがちょっと弾き感が強いくらいで、基本的にはそれほど大きく変わった印象はないです。前作も全体的な軽さは感じられ、飛距離性能は同等。打感は前作のほうが硬かったですが、全体的にはどちらも結構硬めで、インパクトでボールを弾いている感触がしっかり残ります。ただ強く前に弾きながらも、インパクトの瞬間にヘッドが横につかまる動きも入ってくるので、つかまり具合が弱いわけではありません」

左が今作23年、右が前作21年モデル。ややアスリート派な印象に変わった

―見た目の印象は?
「前作と比べてクラウンのカラーリングは結構鮮やかになりましたが、ブルーの部分はグラデーションになっていて、外周にいくほど薄くなっており、それほど大きくは見えすぎません。中央に集中しやすいデザインになっており、実際のヘッド面積は大きいと思うのですが、それほど大きなサイズに見えない工夫が施されています。操作性の高い小ぶりのヘッドが好きな私にとっては、とても好印象に映る顔立ちです」

鮮やかなブルーの配色で形状の見え方にも変化が…

―類似モデルは?
「性能を分かりやすく例えると、やさしく飛ばすモデルの代表格であるダンロップ『ゼクシオ』シリーズに近い分類に入ると思います。シニアゴルファー向けと呼ばれる安心感が持て、ボールのつかまりが保証されたやさしさにあふれたモデル。ただ、特徴的なのは、マジェスティ流の所有感がプラスされた点と、ややアスリート志向を持ったゴルファーに好まれるしっかりめの打感。やさしいモデルだけど、やさしすぎない性能を備えたドライバーといえます」

「HSの速さよりスイングタイプによって合う合わないが出そう」と西川

―どのような人向き?
「基本的にはHSが遅い人向けではありますが、力感がなくても、ボディターンの速さで飛ばしていける人にも合いそう。対象年齢は高めではありますが、非力の女性ゴルファーよりは、少しパワーのある男性シニア向けだと思います。ただ、今作は同シリーズのレディスモデルもバリエーションがかなりそろっているので、女性シニアの方には一度、打ち比べながら吟味してほしいです」

全体的な“軽さ”がややマイナスに…【総合評価3.7点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:マジェスティ LV550(硬さSR)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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