規格外の中津産トマト使ったラーメン 地元事業者と中津東高生が開発【大分県】

地元産フルーツトマトを使ったラーメンを共同で作った事業者と中津東高生=中津市役所
中津市内の道の駅で販売している「旨辛トマメン」

 【中津】中津市内の事業者や中津東高生が協力して、地元産フルーツトマトの規格外品を使ったラーメン「旨辛(うまから)トマメン」を生み出した。トマトの甘味と酸味を生かしたスープが特徴。市内の道の駅で売り出しており、新しいご当地グルメとして育て、フードロス削減にもつなげたい考えだ。

 市内でフルーツトマトを生産する大分和郷(中原良祐社長)が4年前、大きすぎて流通経路に乗せられないトマトの活用策を模索。食品加工の経験がある田中醤油店(市内犬丸、田中宏社長)に相談した。

 田中社長(52)は当初、フルーツトマトの甘味とうまみを生かせるケチャップやジュースを検討。ありきたりになるため方針転換し、珍しいトマトスープのラーメンを考案した。

 若者の視点を取り込もうと、昨年秋ごろ、中津東高に協力を依頼。商業科3年の25人に試作品の味見やパッケージデザイン、商品名などのアイデア出しを担当してもらった。味に辛みを加えることやトマトラーメンを短縮した「トマメン」の名称などのアイデアを反映したという。

 鶏などから取った和風だしとトマトの甘味や酸味が調和し、ピリッとした辛さがアクセントになっている。

 中原社長(47)は「味は変わらないのに規格外で無駄にするのはもったいない。ラーメンで中津産トマトの良さを知ってほしい」。田中社長は「辛みを付けることでトマトの良さが生きた商品になった。パッケージも分かりやすく、子どもや女性にも気に入ってもらえそう」と期待する。

 同校の甲斐心晴(こはる)さん(18)は「高校生のうちに商品開発に携われていい経験になった。多くの人に食べてもらいたい」と話している。

 商品は市内加来の道の駅なかつで、1食378円(税込み)で販売している。

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