執筆から遠ざかった小説家 一線から退いた女優 ホン・サンス監督「小説家の映画」公開決定

2022年のベルリン国際映画祭で3年連続4度目の銀熊賞受賞を果たしたホン・サンス監督の、日本公開最新作となる「小説家の映画」が、2023年6月30日より劇場公開されることが決まった。

「小説家の映画」は、女性たちの友愛と連帯を描いた作品。執筆から遠ざかった小説家ジュニと一線から退いた女優ギルスは、偶然の出会いを通じてたちまち惹かれ合い、ジュニはギルスを主役に映画を撮りたいと持ちかける。主人公のふたりをはじめ、彼女たちの行く手に現れるのは、創作活動に行き詰まったり、何かに挫折した女性たち。アーティストや表現者として成功を収めながらも、ともに迷いを抱えたふたりの女性が偶然の出会いを通して、人生の新たな可能性に向かってともに歩み出していく姿を映し出している。

「逃げた女」から主演女優として復帰したホン・サンス監督の公私にわたるパートナーのキム・ミニと、初めてホン・サンス監督作に出演し主演を飾った前作「あなたの顔の前に」で百想芸術大賞女性最優秀演技賞(映画部門)などを受賞したベテラン女優のイ・ヘヨンがダブル主演。ホン・サンス監督は本作のキャスティングについて、「まず最初にキム・ミニを主役にしようと決めました。それからこの前の映画(『あなたの顔の前に』)で一緒に仕事をしたイ・へヨンに出演してもらうことに決めました」と語っている。

公開された予告編は、野の花を束ねているキム・ミニがカメラに向かってほほ笑む穏やかなシーンで幕を開ける。執筆から遠ざかった小説家ジュニと、一線から退いた女優ギルスの偶然の出会いから、惹かれあったふたりが人生の迷いを語り合い、友愛の感情が芽生えていく様子が切り取られている。小説家ジュニは、「今日 偶然会ったギルスさんを主役に映画を撮りたいの」と告げ、女優ギルスも小説家が映画を作ることを「斬新でいい」と意気投合。ふたりの幸福な掛け合いが垣間見える。

【作品情報】
小説家の映画
2023年6月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
配給:ミモザフィルムズ
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