『THE FOOLS 愚か者たちの歌』(高橋慎一監督作品)、緊急記者会見を経て本日3月28日(火)より急遽上映決定!

長年にわたって日本のアンダーグラウンド・シーンの帝王として君臨す るロックバンド、THE FOOLSに密着した壮絶なドキュメンタリー『THE FOOLS 愚か者たちの歌』(現在、全国順次公開中)。 本編でも描かれるTHE FOOLSのボーカリスト、伊藤耕の不慮の死に関して昨日3月27日(月)、緊急記者会見【伊藤耕(THE FOOLS)はなぜ刑務所内で死んだのか】が開かれた。この会見を受け、本日3月28日(火)より急遽東京での上映が決定した。

THE FOOLSの伊藤耕は2017年、覚せい剤取締法違反で服役の最中に獄中死した。その死因を「本人が何度も転倒するほど腹部の激痛を訴えていたにもかかわらず、適切な処置が施されなかったため」として耕の妻、満寿子さんが国を相手に損害賠償を求めた訴訟の和解が先日2月7日、東京地裁で成立。国側が請求額とほぼ同額の4,300万円を支払うこととなった。しかし、耕が刑務所内でどのような扱いを受けたのか、その実態は未だきちんと報道されていない。 本判決の社会的意義の大きさを考え、DOMMUNEにて緊急記者会見【伊藤耕(THE FOOLS)はなぜ刑務所内で死んだのか】が行なわれた。参加したのは満寿子さん、代理弁護人の島昭宏、加城千波、そして司会進行に『THE FOOLS 愚か者たちの歌』の高橋慎一監督映画監督。 会見は約90分。実際に独房に収容された耕の監視カメラ映像を見た満寿子さんの手書きメモや、刑務所内カルテ、病院での検査記録や診断書、さらには解剖診断書など、様々な書類や証拠資料などによって多角的に耕の不信な死を検証した。 覚せい剤取締法違反などの罪で、月形刑務所に服役していた耕は2017年10月15日、腹痛と嘔吐を訴えて町立病院に搬送されたが、腹部の触診と痛み止めの投与だけで刑務所に戻された。その後も転倒を繰り返し、16日深夜に搬送されたが、17日未明に亡くなった。 耕の死因について、死体検案書には「肝硬変からくる肝細胞がん破裂(推定)、出血性ショック」と記載されていたが、その報告書ややりとりなどから不信感を抱いた耕の妻、満寿子さんが、北海道大学死因究明教育研究センターで遺体を解剖してもらったところ、「回腸絞扼性イレウス(腸閉塞)による出血性ショック」だったことがわかった。 また、亡くなった時の状況を知るため開示を要求した独房の監視カメラの映像から、故意と受け止められる態度で適切な処置を刑務官がしていなかったことが分かり、東京地裁にて「国の有責前提の和解」が成立した。

本件の弁護人を務めた島は、「刑務所に入る人は、そこに閉じ込められてただでさえ自由を奪われ、権利が制約されている。それ以上に命に関わるようなことが起こったりだとか、人権が制限される理由などどこにもない。目が届かないところでこのような事件が起こっているのでは、成熟した素敵な社会だと言えるのか。本件を通して本気で考えるきっかけになれば。裁判は終わったけれど、ここからがまたスタート」と語った。 今回の事件だけでなく、日本のあらゆる組織・社会に暗く浸透している人権問題を訴えかける記者会見となった。

この会見を受けて本日3月28日(火)よりTCC試写室にて『THE FOOLS 愚か者たちの歌』が急遽公開決定。カリスマとして君臨した伊藤耕の生前のエネルギッシュな姿、薬物によって何度も投獄される様子、さらには撮影中に迎えた非業の死などが描かれている。

『THE FOOLS 愚か者たちの歌』緊急上映詳細

【日時】2023年3月28日(火)、29日(水)、30日(木)、4月1日(土)19:00〜、4月2日(日)15:00〜

【会場】TCC 試写室(https://www.kokuei-tcc.co.jp/)

【料金】一般:1,500円、シニア:1,100円、21世紀生まれの方:800円

【公式ツイッター】@thefoolsfilm

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