「農ドーム」に集合! さいたまの農園「あらゆる人が楽しめる場所に」 農業体験や食育、宿泊施設の準備も

美園ファーマーズ倶楽部の高田代表(右)、小林規男さん(左)とペイントイベントを企画する親子アート教室「パレット」代表の杉崎TOMOMIさん

 埼玉県さいたま市緑区南部領辻で体験農園などを運営する美園ファーマーズ倶楽部(高田靖子代表)は、同所内に高密度発泡ポリスチレン製の「農ドーム」を設置。「すべての人のウェル・ビーイング(幸福感)を高める」をコンセプトにした農業体験や子どもたちへの知育・食育活動、音楽や美術とのコラボレーションイベントなどを通じ、高田代表は「地域の新たな交流拠点として、SDGsを意識したフードロスやランドロスの解消にもつなげていきたい」と話している。

 ドームは高さ約4.05メートル、直径7.7メートル。国道463号、新見沼大橋有料道路沿いの南側、芝川東側のほとりにある。田園風景の中にひときわ目立つその壁一面には、子どもたちが描いたピンクや黄色のパステルカラーの草花が彩る。神戸市を拠点に活動するキッズアートクリエーター、もりもとさゆりさんの指導で種から芽が出て花が咲き、再び種が落ちて発芽する”生命の循環”をイメージしたという。

 同団体では今回のドーム設置に併せて、高齢のため従来通りの耕作が困難になった土地を新たに加え、25アールの農園に拡大。つり下げ式栽培棚の空中農園を構想し、車いすでも農作業ができるバリアフリーのプランターを設置してあらゆる人が楽しめる場所づくりをしている。

 コロナの状況を見ながら今年からドイツのクラインガルテン(滞在型市民農園)のような活用も想定し、自社の宿泊所を準備している。メンタルヘルスも専門としている高田代表は「野菜作りを楽しむだけでなく、週末に土いじりや自然環境と触れ合うことで現代人の心の健康の維持・ストレス解消にも役立てたい」と話している。

 問い合わせは、美園ファーマーズ倶楽部・小林さん(電話090.6000.1090)へ。

思い思いにドームの壁にペイントした子どもたち(杉崎TOMOMIさん提供)

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