新入社員の受け入れ準備は大丈夫?「ザッソウ」が注目を集めているわけ

もうすぐ4月。
新入社員を受け入れる職場も多いでしょう。
受け入れに慣れているつもりでも、入ってくる人も、会社の状況を毎年少しずつ変わっていきます。
組織に早く定着してもらうためには上「受け入れ側」の上司や同僚にかかっています。
人事部門では「オンボーディング」として、新入社員の定着のため、さまざまな研修を行っているのですが、具体的にどういう研修をしているか、新入社員を受け入れる上司や同僚の皆さまは把握されていますか。
「新入社員が早く定着してほしい!」と悩む、上司、同僚の立場の方々。
どういうところに注意していけばいいのか今回の記事でみていきましょう。

そもそも「オンボーディング」とは

オンボーディングとは、新しく会社・組織に加入した人が早く職場に慣れて、組織への定着や能力を発揮してもらうための取り組みのことで、入社前後のギャップを少なくすることやモチベーション、エンゲージメントなどを上げる目的があります。
定着率が向上することで、採用コストの低下や新入社員がいち早く能力を発揮し、生産性の向上にもつながると期待されています。
また、オンボーディングではあらかじめマニュアルや規則、人間関係や社風、会社のルールを教えるため、業務へのコミットメントするための時間が短縮化されると期待されます。
ただし、オンボーディングの施策は人事が行うことが多く、実際に配属された職場での関わりがやはり大きいでしょう。
人事担当者はその施策に関しても、新入社員の上司や同僚に共有しましょう。
施策を共有することで、上司、同僚がサポートしやすさもありますし、新入社員は研修で学んだものを活かしやすくなります。
その上で、新入社員の受け入れに慣れている方は以下のことを注意してみましょう。

新入社員が早く定着するために職場でできること

ポジティブなフィードバックを増やす

上司や同僚は新入社員に対して、大きな影響を及ぼします。
威圧的な上司で、ネガティブなフィードバックばかりだと新入社員のモチベーションも下がってしまいます。
そのネガティブな指摘は「早く育ってほしい」という思いゆえかもしれませんが、モチベーションを下げるものが適切だと考えられません。
ポジティブなやる気が出るようなフィードバックを行い、新入社員との信頼関係の構築にもつなげることができます。

活発に意見が出ることを歓迎する

ミーティングでの活発な意見交換を求めるなら、参加人数は3~4人までという研究結果もあります。
ミーティングでの活躍を求めるのであれば、まずは少人数の会議から始めてみてはいかがでしょうか。

雑談

入社後は「報連相」の重要性について新入社員に対して指導を行うことが多いと思いますが、「相談」をするための「雑談」、つまり「ザッソウ」が欠かせないものになっています。
雑談を行うことで互いに自己開示でき、信頼関係を向上させ、新入社員の相談のハードルも下がる、関係性がよくなると考えられます。
近年、雑談に関する書籍が多く出版されており、注目されています。
日本人は雑談が苦手とされますが、学校などで「雑談はするな」と怒られた経験のある方も多いのではないでしょうか。
筆者が企業に伺って研修を行う際に、「職場の方と雑談をしましょう」と伝えるとまず、驚かれることが多いです。
雑談がうまくないと思い悩む方は、長々と自分ばかり話さないようにして相手の話を聞く、褒めることからまず始めてみましょう。

さいごに

新入社員が入社し、早く組織に馴染むことで本人が持つ能力が発揮されやすくなりますし、周囲もモチベーションが向上されることが期待できます。
もちろん新入社員の個々の成長があってこその部分もありますが、最初は周囲のサポートが大きく関わるものでもあります。
新入社員が働きやすい職場とは、つまり誰でもサポートが得やすく働きやすい職場になり得ますので、意識してください。

<参考>
藤野秀則、岡本健太、奥成太河、玉澤奈々穂「大学生のグループワークにおけるグループの人数と参加者の性格特性が意見発出への抵抗感に与える影響」(『ヒューマンインタフェース学会論文誌』22 巻(2020)4号)

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