新たな広島の “顔”「ひろしまゲートパーク」 旧球場の記憶を継承 その全貌をレポート

小林康秀 キャスター
「旧市民球場跡地にやって来ました。ここが、報道陣に公開されるということで、いよいよ、中に入れるようです。では、入れていただきます」

「中に入りますと、『SHIMINT HIROSHIMA』(シミントひろしま)という看板があります。両サイドに木をふんだんに使った2階建ての商業施設が、こちらにも、そして、こちらにも、さらにこの奥にもあるという状況ですね」

「見てください。広い敷地になっています。イベント広場になっていまして、さまざまな催しが行われるんですね」

広島市中区の旧市民球場跡地。およそ1年の工事期間を経て、イベント広場や商業施設のある公園「HIROSHIMA GATE PARK 」(ひろしまゲートパーク)に生まれ変わりました。広島に来たら最初に訪れてほしいゲート=“顔” となるようにという意味が込められています。

まずは園内の中心を占める、こちらのスペース。大型イベントやマルシェなどが開催できる「GATE PARK PLAZA」(ゲートパークプラザ)、中央イベント広場となっています。

小林康秀 キャスター
「市民のみなさんの催しであるとか、大型イベントが開催できるような広々としたスペースですね」

「目の前、あれを見てください。なんだかわかりますか、ホームベースです。『メモリアル・オブ・ザ・ホームベース』(ホームベース記念碑)。つまり、旧市民球場でホームベースがここだったよということなんです。これがあるということは、あちらに行ってみましょうか。はい、こちら、ピッチャーマウンドのプレート(ピッチャープレート記念碑)ですね。ああ、ここは、あのカープが熱戦を繰り広げた場所なんだということをあらためて実感できるようになっているんです」

整備した企業グループによりますと、目標は1000人規模のイベントを年間90日以上、開催すること。すでに年内の週末は予約がほぼ埋まっているということです。

きょうは、生まれ変わった「広島の聖地」、ゲートパークの全ぼうに迫ります。

旧市民球場跡地は、広島の人たちにとっては特別な場所です。そこに整備されたイベント広場は、3月31日にオープンします。新たな広島の ”顔” として期待される「ひろしまゲートパーク」をご紹介します。

戦後の復興のシンボルとしてできた広島市民球場。カープの本拠地として市民の愛着も深い場所です。跡地利用計画は紆余曲折し、球場の閉鎖からきょうまで実に13年の月日が流れました。

市民に愛された旧球場の姿を一部でも残そうと、掲げられたコンセプトは「旧市民球場の記憶の継承」。さきほどのホームベースのほかにも…

小林康秀 キャスター
「こちらが、日本シリーズやセントラル・リーグの広島カープ優勝記念碑『勝鯉の森』ですね。カープのまさに聖地なわけですけども。そのすぐ目の前にあるこちらをご覧ください」

「覚えていますか、みなさん? カープの旧市民球場のライトスタンドのあのベンチが、ここに移設されているんですよ。あの立ったり座ったりのスクワット応援がよみがえってくるような…、こんな感じでしたよね」

「勝鯉の森」は、カープファンにとってはたまらない憩いの場所です。広島市中心部にはこれまで屋外でゆっくり休憩できるようなスペースが不足していました。そこで、企業グループは「ゲートパーク」を「”オソト文化” を育む場所」と提案しています。

小林康秀 キャスター
「折り鶴をイメージした大屋根の下(大屋根ひろば)にいます。東京ドームと同じ幕材が使われているということですが、こういったところにテーブルやイスがありまして、Wi-Fi環境が整えられています」

「座ってアウトドアワークをすることもできますし、修学旅行で訪れた小学生などがお弁当を食べてもらえるようなスペースになっています」

ほかにも「スケートボード場」や、公園の地形を生かした「こどもひろば」もあり、幅広い世代が集えるようになっています。

公園内には「シミントひろしま」と名付けられた商業施設もあります。

周りの木々に溶け込むような木のぬくもりを感じる箱型の建物。カフェやレストランなどの飲食店のほか、アウトドアやファッションなどの店舗あわせて16店が入っています。

このシミントひろしまの一角を利用して、カープファンにはうれしい旧球場のスコアボードや歴代ユニフォームも特別展示されています。(歴史&カープお宝展 5月7日まで)

小林康秀 キャスター
「広島初出展のお店『Eggs’n Things SHIMINT HIROSHIMA』です。看板には『ハワイ』と書いてありますね。ハワイ発祥のお店で、ハワイの朝食を食べさせてもらえるということです。入ってみましょう」

広い園内をながめながら、看板メニューのパンケーキを注文しました。もちろん、外でいただくこともできます。

一色晴信 店長
「ストロベリーホイップクリームとマカダミアナッツのパンケーキでございます」

― 大きいですね。だいたい、どれぐらいの高さ?
「高さ15センチで140グラムあるホイップクリームになります」

小林康秀 キャスター
「いただきます。ふわっとしたホイップと、ふわっともちもちしたパンケーキのコラボレーションという感じですね。おいしいです」

Eggs’n Things 一色晴信 店長
― こちらでお店を開くのにはどんな思いが?
「広島市の中心部ということもあり、地域のみなさまと一緒に盛り上げていけるようがんばっていきたいと考えております」

小林康秀 キャスター
「原爆ドーム、原爆慰霊碑をまっすぐに結んだ線を北に進めていく、こうした軸線が続いていきます。ここが、「ピースプロムナード」という場所です」

「ちょうどこの下、石が埋められているんですけど、これは、広島電鉄の路面電車の被爆敷石ですね。各所に埋められています」

「そして、その向こう、クレーンが見えるかと思います。サッカースタジアムが新しく造られていますが、そこにこの道がつながっていくわけです」

隣りで建設が進む新サッカースタジアムの開業も1年後に迫っています。

企業グループは、ゲートパークのオープンで紙屋町や基町など周辺エリアとの回遊性が高まると期待しています。

ゲートパークの共同事業体 代表
NTT都市開発 中国支店 荒木浩文 副支店長
「今度できる(サッカー)スタジアム、中央公園ひろば、広島城、都心の商業施設の方へ回遊を高めていくような場所にしていきたいと思っている」

回遊性を高めるため、周辺エリアで共通イベントを開くなど仕組みを考えたいとしています。

「ひろしまゲートパーク」のオープンは3月31日。かつての球場と同じように世代を超えて広島の人に愛されるスペースになるかどうかが、鍵となります。

◇ ◇ ◇

― ゲートパークのメインである「中央イベント広場」。これまでも旧球場跡地時代に暫定で大型イベントが開催されて1日に数万人という集客があったこともあり、人の流れが期待できそうです。

― ゲートパークのオープンをきっかけに回遊性が出て、紙屋町・八丁堀・基町を含めた広島市中心部ににぎわいが出たらいいですね。“オソト文化” という面でも中心部に屋外でのんびりできるところが少ないので、うれしい。オフィスの方々、お昼にお弁当食べたり…などの風景が生まれそうです。

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