福山城公園は福山を代表する桜の名所!見どころいっぱいの公園を散策

JR福山駅のホームに立つと、すぐ目の前に見える福山城公園。

福山市のシンボルであると同時に、福山市を代表する桜の名所でもあります。

そんな福山城公園ですが、2022年8月に天守をリニューアルしました。

新しくなった桜の名所・福山城公園についてご紹介します。

福山城公園への行き方

福山駅北口から見る福山城公園

福山城公園は、JR福山駅のすぐ北側に隣接しています。

そのため福山駅のホームから、福山城天守が見えるのです。

また福山駅の北口は、2019年より「福山城口」という愛称が付けられました。

名前のとおり、北口を出ればすぐ目の前に福山城の石垣がそびえています。

福山城公園敷地内の西側には、駐車場も完備しているので便利です(有料)。

ただし桜のシーズンやイベント時などは、駐車場が混み合います。

周辺にはコインパーキングがたくさんありますので、コインパーキングを利用するか、公共交通機関を利用するのがおすすめです。

○福山城公園

福山城公園について

福山城公園は、江戸時代初期に建てられた福山城の本丸・二之丸を中心にした公園です。

戦災で焼失された天守は、1966年に再建され、福山城博物館として整備されました。

2022年に天守がリニューアルされ、焼失前の姿が再現されています。

実はJR福山駅が立地している場所は、かつての福山城の二之丸と三之丸のあいだにあった内堀の上です。

そのため福山駅は、旧福山城内にある駅といえます。

夜のライトアップ(リニューアル後の天守)

福山城公園は福山駅の北側に隣接しているのでアクセスが良いため、福山市民のいこいの場として愛され、観光客も多く訪れるスポットです。

また福山駅のホームからも見えるので、福山市のシンボル的存在となっています。

福山城公園はとても広く、天守である福山城博物館をはじめ、公園内には多くの文化施設や神社などが立地しているのも特徴です。

桜は本丸周辺に約300本、3月下旬〜4月上旬が見ごろ

福山城公園は、福山市を代表する花見スポットです。

桜が植樹されているのは、公園内のうち、天守前広場など本丸の周辺と二之丸東側。

ソメイヨシノを中心に、約300本が植えられています。

桜の見ごろは、3月下旬~4月上旬ごろです。

花見シーズンには「福山城桜まつり」として、18時〜24時まで天守と桜のライトアップを実施。

屋台・キッチンカーなども出店し、多くの花見客でにぎわいます。

福山城公園の歴史

リニューアル前の福山城天守と桜

福山城は、江戸時代初期の1619年(元和5年)に、徳川家康の従兄弟・水野勝成によって「西国の鎮衛」として築城されました。

勝成によって「鉄覆山 朱雀院 久松城(てつおうざん すざくいん ひさまつじょう)」と命名。

勝成は城下町も整備し、「福山」と町の名を付けたと伝えられています。

そのため鉄覆山 朱雀院 久松城は、「福山城」とも呼ばれるようになりました。

ほかに、「葦陽城(いようじょう)」という別名もあります。

福山城は、福山藩の拠点として水野家、水谷家、阿部家と城主が移り、明治維新を迎えました。

リニューアル後の天守

1873年(明治6年)に福山城は廃城となって民間払い下げとなりましたが、天守・伏見櫓・筋鉄御門・御湯殿・鐘櫓などが残され、本丸・二之丸などが「福山城公園」として整備されます。

その後、天守などが国宝に指定されましたが、太平洋戦争中の1945年(昭和20年)に福山空襲によって天守を含む大部分の建造物を焼失しました。

戦後の1966年(昭和41年)、市制施行50周年記念事業により鉄筋コンクリート造りで天守が復元され、天守は「福山城博物館」、本丸は「福山城天守前広場」として整備されています。

また公園内の二之丸には「ふくやま美術館」「広島県立歴史博物館」など、文化施設も多数建てられました。

2022年(令和4年)には、福山城築城400年記念事業として福山城天守の大幅リニューアル「令和の大普請」を実施。

焼失前の天守の姿が復元されました。

なお福山城は、「日本百名城」のひとつに選定されています。

福山城公園内や周辺の散策もおすすめ

約300本の桜が咲き、花見のシーズンには露店が出店する福山城公園。

花見も楽しいですが、せっかく見どころがたくさんある福山城公園を訪れるのですから、花見と合わせて公園内や周辺を散策してみるのもおすすめです。

福山城公園内やその周辺は、文化施設や社寺が多いため「福山文化ゾーン」と呼ばれています。

福山城公園内や公園周辺にある、おすすめのスポットをご紹介します。

美術館・博物館めぐりや、神社めぐりも楽しいですのでおすすめです。

福山城天守前広場

天守最上階から見た天守前広場のようす

福山城天守前広場は、名前のとおり福山城の天守の目の前に広がる広場です。

この場所はかつて福山城の本丸だった場所で、天守の前や広場の周囲などにはたくさんの桜が植えられています。

桜が開花する3月下旬〜4月上旬には広場内に屋台も建ち並び、お花見に絶好の場所です。

天守前広場には天守のほかに、伏見櫓(ふしみやぐら)や御湯殿(おゆどの)、月見櫓、筋鉄御門(すじがねごもん)などの建物があります。

なかでも伏見櫓と筋鉄御門は、戦災を免れた貴重な建物なので必見です。

なお伏見櫓は福山城築城時に、京都の伏見城から移築されました。

○福山城天守前広場

福山城博物館(福山城天守)

福山城博物館は、福山城の天守のことです。

戦災で焼失されたのを1966年に再建した模擬天守で、中は歴史博物館となっています。

2022年の福山城築城400年記念として外観が往時の姿にリニューアルされましたが、内部の博物館もリニューアルしました。

博物館では、福山城に関する歴史や見どころなどを解説しており、水野勝成にちなんだゲームなどもあって楽しめます。

最上階からの眺めは見晴らしがよく、絶景です。

また外観の見どころは、天守の北側の鉄板張り。

防御力を高めるために鉄板を貼り付けており、これは全国の城で唯一のものです。

ぜひ天守の北側にまわって、黒い鉄板張りを見てください。

なお鉄板は城内の博物館にも展示されており、間近で鉄板を見学できます。

○福山城博物館

広島県立歴史博物館 ふくやま草戸千軒ミュージアム

広島県立歴史博物館 ふくやま草戸千軒ミュージアムは、福山城公園内の南西部、かつて二之丸だったところにあります。

名前の「草戸千軒」とは、現在の福山市草戸町にあったとされる中世に栄えた町の通称です。

芦田川の洪水によってなくなったといわれていましたが、現代の芦田川改修工事のときに川底から遺跡が発見されました。

ふくやま草戸千軒ミュージアムでは、中世に栄えた草戸千軒の町並みを再現して展示しているのが見どころです。

ほかにも草戸千軒に関する歴史資料のほか、福山の歴史に関する展示がたくさんあります。

○広島県立歴史博物館 ふくやま草戸千軒ミュージアム

ふくやま美術館・ふくやま書道美術館

ふくやま美術館は福山城公園内西部、二之丸の横にあった外堀の跡にあります。

1階がふくやま美術館、2階がふくやま書道美術館です。

美術館では福山市や瀬戸内にゆかりがある芸術家、日本のや海外の近現代美術作品などを展示。

美術館のすぐ前には広場があり、広場の中には「愛のアーチ」と呼ばれる赤い大きなオブジェクトもあります。

また美術館の東には庭園もあり、注目です。

○ふくやま美術館・ふくやま書道美術館

ふくやま文学館

ふくやま文学館は、福山城公園内の北西にある施設です。

福山市出身の作家・井伏鱒二をはじめ、福山や瀬戸内にゆかりがある作家に関する資料を展示しています。

なお文学館の建物は、井伏鱒二の生家がモチーフです。

○ふくやま文学館

福寿会館

福寿会館(ふくじゅ かいかん)は、福山城公園内の北東にあります。

江戸時代は福山藩の米蔵がありましたが、明治になって地元の豪商・安部和助(あんべ わすけ)が別荘を建てました。

その後、別の民間の所有を経て戦後に福山市に寄贈され、現在は貸し会議室・茶室などになっています。

建物は和風建築の本館と、洋館の別館があり、目の前にある日本庭園も見どころ。

庭園からは、福山城天守も見えます。

しかも見える天守は、北側の黒い鉄板張りの部分です。

日本庭園と、福山城天守のコラボレーションは必見!

○福寿会館

備後護国神社

備後護国神社は、福山城公園内の北に位置する神社です。

1955年(昭和30年)に、備後神社と阿部神社を合祀して設置されました。

備後神社は1888年(明治元年)に福山藩主・阿部正桓が建てたもので、国家のために戦いで命を落とした英霊を祀っています。

阿部神社は江戸時代に建てられたもので、福山藩主・阿部家を中興した阿部正勝と、阿部家の遠祖とされる神を祀った神社です。

○備後護国神社

三蔵稲荷神社

三蔵稲荷神社は、福山城公園の北東に鎮座しています。

江戸時代初期の福山城築城の際、水野勝成が城の守護神として祀った神社です。

11月に開催される「ミス三蔵稲荷神社コンテスト」が知られています。

○三蔵稲荷神社

福山八幡宮

福山八幡宮は福山城公園を出て北側の丘の上に鎮座する、福山の総鎮守です。

福山城築城の際に、予定地にあった延広八幡宮と野上八幡宮を城下町や近くの村に移転。

その後、4代目藩主の水野勝種によって、現在地に延広八幡宮と野上八幡神社を再移転し、合わせ祀ったのが福山八幡宮です。

東西2つの本殿がある特徴的な造りで、東が延広八幡宮、西が野上八幡宮になっています。

○福山八幡宮

艮神社

艮神社(うしとらじんじゃ)は福山城公園を出て北東の丘の上、福山八幡宮の東に鎮座しています。

平安時代に建てられたといわれる古い神社です。

福山城の鬼門・艮の方角を守る神社として福山藩主から崇敬され、明治時代から艮神社と呼ばれるようになりました。

マスメディアで取り上げられたことから、福山屈指の開運神社として福山市外の人にも広く知られています。

○艮神社

しぶや美術館

しぶや美術館は、福山城公園を出て北東にある美術館です。

歴史を感じる日本家屋の本館と近代的建物の新館からなり、展示室4室と和室、茶室、やきもの工房などがあります。

福山や備後地方にゆかりのある作家の作品を展示しているのが特徴です。

○しぶや美術館

公園内にある福寿会館のカフェ「Maison Anbe」

Maison Anbe(メゾン アンベ)は、福山城公園内にある福寿会館にあるカフェです。

福寿会館の別館である洋館の1階にあります。

レトロな雰囲気の外観や店内が特徴です。

窓際の席からは庭園が眺められ、庭園の向こうには福山城の天守が見えます。

Maison Anbeのメニューは、ドリンクやデザートがメイン。

ドリンクはコーヒーや紅茶のほか、ジンジャーエールなどのソフトドリンクもあり、豊富にそろっています。

デザートは、チーズケーキやチーズプリンが人気。

チーズケーキ

このほか、コーヒーアフォガードやチョコレート&ベリーパフェもおすすめです。

デザートにプラス300円で、ドリンクセットもできます。

チーズプリン

チーズプリン(480円)は、昔懐かしい固めでズッシリ感のある舌触り。

そしてまるでチーズケーキのような濃厚なチーズの風味と、滑らかさです。

甘酸っぱいレモン風味のソースがかかっており、チーズプリンとの愛称もバッチリ。

コーヒーアフォガードは、バニラアイスにコーヒーをかけたものです。

コーヒーはブラジル産の深入りで、シッカリとした風味のあるホロ苦さと、バニラアイスの甘さのハーモニーがたまりません。

Maison Anbeは福山城公園内にあるので、散策の途中に一休みするのに最適です。

雰囲気もいいですので、ぜひ訪れてみてくださいね。

○Maison Anbe(メゾン アンベ)

福山駅のすぐ北側にある、福山を代表する桜の名所・福山城公園。

天守がリニューアルし、桜とのコラボレーションも新たな楽しみではないでしょうか。

また福山城公園は、公園内や周辺にもスポットも多いのも魅力です。

せっかく福山城公園へ花見に訪れたのなら、ぜひ公園内や周辺を散策してみてください。

ライター アサノ・ヨウスケ

※この記事の情報は2023年3月28日時点のものです。

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