課題はどう浸透させるか…自転車ヘルメット“努力義務化”まもなく 需要高まるも「髪型崩れる」「様子見で」の声=静岡県内

いよいよ4月1日から自転車運転時のヘルメット着用の努力義務化が始まります。静岡県内ではヘルメットの需要が急激に伸びているお店もある中、定着にはまだ時間がかかりそうです。

<自転車のオオムラ 堀口梨佳社長>

「(今あるものが)売れてしまうと、この辺のヘルメットは次が7月入荷予定だったり、こちらは5月入荷予定と、入荷が間に合っていない状態になっています」

静岡市葵区の自転車販売店です。こちらのお店では2月までと比べてヘルメットの売り上げが約10倍アップ。最近では、子ども用だけでなく、価格が7000円〜8000円程度の大人用のヘルメットも多く売れているといいます。中にはこんなヘルメットも。

<自転車のオオムラ 堀口梨佳社長>

「ヘルメットというのが分かりにくい形で帽子型のヘルメットとか私服に似合うような形でお勧めさせてもらっています」

ヘルメットの売り上げ好調の理由は、2023年4月1日から自転車に乗る際にすべての人を対象にしたヘルメット着用の“努力義務化”です。

<交通安全指導員呼びかけ>

「4月1日から自転車乗車時のヘルメットの努力義務化になります。お願いします」

これに合わせて28日、交通安全指導員が静岡市清水区でチラシなどを配りながら着用を促す呼びかけを行いました。しかし、実際のところヘルメットを着用している人はほとんどいませんでした。

<着用しない人>

「服装にヘルメットが合わないのであまりしたくないです。あと髪型崩れてしまうので」

「みんなの様子を見ながら」

<交通安全指導員 出崎裕子さん>

「どうしても通勤、通学の皆さんのヘルメットの着用がまだまだかなと感じます。これを機会に着用してくださる人が増えるといいなと思っています」

過去10年のデータを見てみると、自転車の死亡事故の約7割が頭部を損傷していることが分かります。また、ヘルメットを着用しているかどうかで、致死率が約3倍違うというデータも出ています。

静岡県では2019年から県の条例で、小学生と中学生は自転車で通学の際にヘルメットを着用することが努力義務とされています。高校生においても普及しなければなりません。

<静岡県教育委員会健康体育課 田中理一さん>

「2023年度については高校生からヘルメット着用に対する意見、『どうしたらみんながかぶるようになるのか』『なぜ今かぶりたくないのか』、そういった生の声を聞きながら施策に反映していければと思っています」

ヘルメットの着用はあくまで罰則なしの「努力義務」。今後、どう浸透させるかがカギとなります。

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