日本人陶芸家・惣田司氏が香港で初個展

日本の若手陶芸家、惣田司氏の個展「虚空」が2月24日~ 3月25日に香港黄竹坑道のギャラリーwamono artで開催された。

Lifelight #0 2022 Stoneware H 33 x 22 x 28 cm

個展を主催したWAMONO ARTによると、これは惣田氏の初の個展で、彼は現代陶芸分野で大変前途のある日本の若手アーティストである。 惣田氏は今回の初個展で10点の新作を披露。WAMONO ARTはその作品の持つ独自性と創造性にひかれ、彼のプロとしての陶芸家人生が始まった頃から協力関係を持っている。惣田氏の作品は若手陶芸家の登竜門といわれる2つのコンテストで入選している。1つは2019年の第8回菊池ビエンナーレ、もう1つは2022年の第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ“Craft Visions”。

Lifelight #2 2022 Stoneware H 30 x 40 x 28 cm

Lifelight #3 2022 Stoneware H 51 x 60 x 40 cm

Through 2021 Stoneware H 33 x 52 x 37 cm

今回の個展タイトル「虚空」は惣田氏のすべて作品にある円形空間を表し、この空間がまさに彼の創作のモチベーションの核心といえる。長年にわたり彼はこれら空白の空間の中に哲学的意義を注ぎ込んだ。円形空間を創造する行為は芸術家の祈りと解釈することもでき、消極的な事物の中から解脱もしくは自身を解放するものといえる。

惣田氏は初めの頃は創作にガラスを使用したが、その後、石器に転向。より自由に自身の思いを創作できるからだという。陶器の創作では独特の鋳造方法を採用していることで、見る者に美感と驚きを与える造形をつくりだしている。

台湾の代表的な美術雑誌に掲載された

【惣田司氏】

1978年、兵庫県生まれ。2002年に倉敷芸術科学大学芸術学部工芸学科を卒業。2011年に第 75回自由美術展で大阪市長賞を受賞。2016年に第55回日本現代工芸美術展で近畿展新人賞受賞、2017年に第56回日本現代工芸美術展で現代工芸新人賞を受賞。同年、改組新第4回日本美術展覧会で初入選。2019年に第8回菊池ビエンナーレ入選。最近の作品《Lifelight(生命之光)》が2022年に第5回金沢・世界工芸トリエンナーレ“Craft Visions”で入選。現在は奈良芸術短期大学で陶芸の講師を務めている。

【WAMONO ART】

WAMONO ARTは 2016 年に香港と東京に設立。「和物」という言葉は「和=日本」と「もの=ピース・物・一体」という言葉で構成されている。 WAMONO ARTはその名の通り、野心、経験、哲学、美学を通じて、新進気鋭から成熟した現代の日本アーティストを紹介することに注力している。

ホームページ:www.wamonoart.com

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