リモートワークと出社…双方メリット・デメリットあるなかで、これからの働き方は?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜7:00~)。3月17日(金)放送の「モニフラZ議会」のコーナーでは、テレワークか出社か、“今後の働き方”についてZ世代とXY世代の論客が議論しました。

◆コロナが収束し、出社に回帰する企業が増加

マスク着用が個人の判断になり、アフターコロナを見据えた動きが進むなか、働き方にも変化が。オフィス面積を縮小し、コロナ禍で定着したテレワークを引き続き行う企業がある一方、原則出社とする企業も。海外でもAmazonやGoogleなどで出社回帰の動きが見られます。

テレワーク実施率は、コロナが始まった2020年5月は31.5%だったものの、2023年1月は16.8%と減少。しかし、コロナ収束後もテレワークを希望する人は2020年5月の62.7%に対し、2023年1月は84.9%と増加しています。

XY世代のライター・ヨッピーさんは「僕は基本、取材は全部できる限り対面でしている。テレワークだと雑談がしづらい。雑談ができないのがイヤ」と対面派。

現在大学生のZ世代、Fridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは、大学の授業が大学1年生のときは完全リモートで、2年生はハイブリッド、3年生は対面といった具合に、年々変わっているそうで「私は実技が多い大学ということもあって、対面のほうが学びは多い」と感想を述べます。

また、完全リモートで友達などに会えないとなると、周りの人を美化してしまい、みんな頑張っているんじゃないかと不安になったり、SNSで流れてくる情報を目にして自信がなくなってしまったりしたと言い、「友達に会うことでそうしたことが改善されたりもした。完全にリモートだと、不安もあると思う」と話します。

Z世代で株式会社ゲムトレ代表の小幡和輝さんは、リモートのメリットについて言及。小幡さんが運営する会社は、コロナ禍前の創業時から完全リモートで「全体で(社員が)100人ぐらいいるが、テレワークだからこれだけのスタッフが雇える。100人が出社できるようなオフィスは借りられない」とその理由を語ります。

さらに、「テレワークだから全国にいる人と一緒に働ける。働きたいと思った人と働くためにはそもそも東京にオフィスがあったら無理だった。僕らは最初からテレワークなので不便はない」とリモートの利点を挙げます。

すると、ヨッピーさんから社内コミュニケーションに関する質問が。ヨッピーさんはリモートにすることで会社への帰属意識が薄れてしまったり、新入社員が孤立してしまったり、悩みを打ち明ける人がいなかったりといった問題が生じないか懸念。小幡さんは、自身の会社ではチャットで雑談できるようにしていて、オンライン上で話す時間を設けるなどしてはいるものの「(コミュニケーションについては)確かに対面のほうが良いかもしれない」と本音が。

XY世代のキャスター・堀潤は、「テレワークの最適化」を提案。なぜテレワークなのか、その意味・意義がしっかりと会社で定義され、仕分けされていれば良いと言います。

小幡さんは「(テレワークは)評価制度が難しい。どうしても成果主義になりがち。どこで作業しているかわからないからプロセスが評価しづらい」とテレワークの問題点を指摘。

その上で「だからこそ業務の棚卸し、例えば営業のようにわかりやすく数字に見える業務であればいいが、そうではない仕事もたくさんあるので、その人のやるべき業務を見える化し、そのプロセスと成果をテレワークでどう評価するか、会社・経営者側がいかに仕組みを作れるかが重要」と話します。

リモート・出社に関してさまざまな意見が飛ぶなか、番組Twitterには「リモートワークになって、セクハラ被害が減った」というツイートが。

この意見に、黒部さんは「確かにあるかもしれない」と頷きつつ「地方にいる人と情報交換が容易になることでコミュニティが広がったり、深まったり、夜遅くまで語り合うこともリモートだからこそ」とリモートの利便性に触れ、「完全に出社に戻すのではなく、選択肢を広げるという意味でも(リモートと出社の)ハイブリッドが浸透すれば」と望みます。

◆リモートか、出社か…社員にとって働きやすいのは?

では、出社することにどんなメリットがあるのか。IT企業・GMOインターネットグループはコロナの感染拡大が始まった2020年1月にいち早くテレワークに切り替えましたが、2023年2月からは原則出社に変更。

すると、コミュニケーションの質が高まり、雑談などをすることでパートナー同士の距離も縮まったとか。また、現在はリモートワークによる生産性の向上なども加味し、出社とテレワークを併用するハイブリッド勤務も認めるようになり、今後もよりプラスになる働き方を目指していくそうです。

小幡さんは「前提として、オフィスまで徒歩3~5分圏内にスタッフが全員住んでいたら出社させる」とした上で、「ただし、対面で行うためのコストが高い。しかも、全国の人と仕事をしているからリモートがいい」と自身の会社がリモートであることの必要性を語ります。

番組Twitterの「スペース機能」に参加していた視聴者にリモートワークと出社(対面)、どちらがいいか聞いてみると、どちらも半々ぐらいの意見が。

ここでキャスターの田中陽南や堀がリモートの可否は職種によるところもあるのではないかという声に、「職種に加えて、住んでいる地域でも違いそう」とヨッピーさん。というのも、東京は出社するコストが高いから。「通勤時間が長いし、満員電車もある。東京の人は『リモートがいい』と言っている人が多いような気がする」と推測。

黒部さんは「(対面取材のオファーがあった際など)移動コストを考えると、自宅のほうが気持ち的にすごく楽」とリモートのメリットを感じつつも「仕事をリモートにするなら、その他の部分で誰かに会うようにしないと塞ぎ込んでしまうリスクもある。それを念頭に置いておかないと危険なような気がする」と案じます。

今後の働き方はどうなるのか、最後にZ議会からの提言を、小幡さんが発表。それは"会社の大切な情報として先に伝えて!”。「今後、リモートがOKなのかどうかは、報酬や福利厚生などと並び、会社を選ぶための情報として重要になると思う。会社の方針として、予め明確にして情報を出してほしい」と訴えます。

堀はリモートを推奨する理由として、出社となると移動時間やコストがかかること、さらに自身が会社に拘束されるのが苦手だったことを挙げます。同時に"副業”の解禁も切望。

リモートワークをすることで使える時間が増え、副業がしやすくなるとともに、副業を行うことで社員の体験増加、人間関係の拡大が見込めるとし、「所属する会社にとってもメリットがある」と力を込めます。そして、例えば月に1度なり、社員が集まる機会を作るなど、どちらか一方に偏るのではなく、ハイブリッドな働き方が増えることを望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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