4月からの上半期【税金スケジュール】で支出することになる税金をチェック

もうすぐ新年度です、気持ちも新たに、今年はお金と向き合っていきましょう。え、忙しくてそんな余裕はないですって? なんて……嘆かわしい!

お金に意識を向けるだけで、日常のお金の流れが変わります。出さなければならないもの、出さなくてもいいものを正しく判断して、振り分けることに意識を向けると、無駄な出費が減って将来使えるお金が貯まっていきます。逆に出さなければならないことをうっかり忘れて後で慌てたり、余計な支出を増やすという事態は避けたいですね。

ここで改めてお笑い芸人で本物の税理士である税理士りーなと一緒に、4月から上半期で支出することになる税金のスケジュールについて確認していきましょう。


【4月】軽自動車税の課税判定

自動車税や軽自動車税は、保有していることに対して課税されます。自動車税は購入月の翌月から月割りで計算するのに対して、軽自動車税は毎年4月1日に保有しているかどうかで1年分の税金がかかるかどうかが決まります。

4月1日に喜んで軽自動車を購入すると、丸一年分の軽自動車税がかかってしまうことになります。1日待つだけで軽自動車税が、ほぼ1年分かからないことになるなんて、「なんて……喜ばしい!」ですね。

【4月】固定資産税(第1期)の納付

土地や家屋などの固定資産を持っている方には、毎年1月1日時点で保有している状況に応じて、固定資産税が課税されます。固定資産税は、その資産が所在する地域に納める地方税で、納付期限は自治体により異なりますが、所在の市区町村から早いところでは4月の上旬ごろに納付書が発送されます。ただ東京都など、多くの自治体では6月です。

1年分を一括で納付することもできますが、1年分を4回に分けて納付するのが一般的です。支払いが遅れると延滞金が発生しますので、あらかじめ自治体のウェブサイトなどで納付期限を確認しておきましょう。

なお、固定資産税は土地や家屋の価値に応じた金額になりますが、年間10万円以上、4分割にしても数万円になるという方も多いと思います。固定資産税の納期がある月は、資金繰りに余力をもっておきたいですね。

【5月】自動車税

4月1日時点で自動車を保有している状況に応じて、5月上旬ごろに都道府県から納付書が届きます。納付期限は5月末日です。なお、青森県と秋田県は納付書の発送が6月上旬で、納期限が6月末となっています。

車検証に記載されている住所に納付書が届きますので、引っ越しされる場合は、引っ越した日から15日以内に運輸支局で住所変更のための登録手続きを行わなければなりません。

手続きを忘れていて納付書が届かない場合は、都道府県の県税事務所にお問合せください。自動車税(種別割)住所変更届の手続きをすることで、ひとまず納付書の送り先だけ変更することができます。ただし、この届出を行なっても車検証の住所変更はされません。必ず運輸支局での住所変更登録手続きも行ってください。

自動車税については都道府県から納付書が届きますが、軽自動車税については市区町村から納付書が届きます。軽自動車税の納期限は、これまで4月末だった自治体も近年は5月末の納期限に変更しているところが大半です。自動車税と時期を合わせられることと、4月末からの大型連休の影響を避けるためと言われています。一部の地域ではまだ4月末日が納期限のところもありますので、納付書が届いたら必ず納付期限を確認して納付漏れの無いようにしましょう。

【6月】住民税(第1期・特別徴収)

6月は地方税の代表格である「住民税」の季節です。

事業を営んでいるなど、3月に確定申告をされた方のところには市区町村から納付書が届き、6月中に納付をします。4回の分割で納付することもでき、分割の場合は6月・8月・10月・翌年1月の末日が納期です。「普通徴収」と呼びます。

給与収入がある方は、住んでいる地域に納める住民税について、会社が全て納付までしておいてくれます。これを自分で納める「普通徴収」に対して「特別徴収」と呼びます。

特別徴収のスケジュールとしては、まず会社は前年1月から12月の給与と税額の計算結果を、1月31日までに都道府県や市区町村に提出しておいてくれます。その結果から、5〜6月ごろに納付書が作成され、会社に届きます。会社は届いた納付書をもとに、6月から翌年の5月までの1年をかけて毎月給与から差し引いてお住まいの自治体に1年分の住民税を納付しておいてくれます。

つまり、6月から住民税額は前年の1月から12月までの金額が反映されているものになる、ということです。逆にいうと、5月までの金額は前々年の1月から12月の金額をもとに計算したかなり前のものだったということです。

12ヵ月で割って割り切れない分を6月にチョイ多めに納付することになりますので、7月から翌年5月までが毎月同じ金額になります。これからは毎月の住民税の金額を見て、6月の給与明細を受け取った時に「あぁ、住民税の季節か……」と呟いてみてください。

【8月】個人事業税(第1期)

お店など個人で事業を行っている方には、都道府県が課税する「個人事業税」という税金があり、確定申告書を提出している一定の業種の事業主で、290万円以上の所得がある方のところに納付書が届きます。

事業税は、これら事業を営む方が事業(収益活動)を行う際にも、事業主としていろいろな行政サービスを受けていることから、これら事業に係る行政経費の一部を負担してもらおうという性格をもっています。8月と11月の2回に分けて納付を行いますが、年間の税額が1万円以下なら一括で納付しなければなりません。

個人事業税については、青色申告特別控除が認められないなど一定のルールがあり、また地域ごとで異なる点もあるので、自治体のウェブサイトなどで詳細を確認してください。

【9月】社会保険料の金額切り替え

会社の給与から差し引かれている社会保険料のうち、健康保険料と厚生年金保険料については年に一度、4〜6月の3ヵ月分の平均の給与月額から割り出した「標準報酬月額」という金額をもとに、社会保険料を決定して1年間適用します。

この手続きは、7月で4〜6月分の報酬を集計して、「算定基礎届」という届出を行ない、9月以降の社会保険料を確定させるのです。昨年と同額なら9月以降も変化ない場合もありますが、金額が変わっていれば、給与明細の健康保険料と厚生年金保険料の欄が改定されているはずですので、チェックしてみてください。

決定された標準報酬月額は、9月から翌年8月まで適用されますが、あまりに金額が大きく変更になる場合は、期間の途中であっても変更を行うことになります。


年度前半の税の手続きについて見てきましたが、思ったよりもいろいろな税金の納付があることがお分かりいただけたと思います。全体像がわかっていると、先の見通しが立って安心ですね。

税額の納付書が届くのをうっかり忘れて、臨時の出費をしないように、お金のプランニングに税金のことも組み入れておきましょう。

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