ペット保険のペッツベスト少額短期保険が破産 有効な保険契約は移転済みで、契約者に影響はなし

※画像は実際の企業と関係はありません

 ペッツベスト少額短期保険(株)(千代田区)は3月23日、東京地裁から破産開始決定を受けた。
 破産管財人には上田慎弁護士(梶谷綜合法律事務所、千代田区大手町1-7-2)が選任された。
 負債は現在調査中。

 犬と猫に限定したペット保険(少額短期保険)を展開。動物病院や保険代理店、金融機関などが当社の保険代理店となり、「獣医師がつくったペットのための医療保険」などペット専用の医療、障害保険の販売を手掛けていた。積極的な広告宣伝による知名度上昇やWEB申し込みの伸長などから2020年3月期は売上高16億2035万円をあげていた。
 しかし、従来から保険金の支払い負担が重く、赤字が累積していたなか、2022年6月には関東財務局から、保険金支払の支払遅延が発生しているとして、業務停止命令などの行政処分を受けた。さらに同年9月1日、関東財務局は長期間の保険金支払の遅延が外部資金調達の不調で解消困難のほか、業務運営が著しく不適切として保険契約者等の保護の観点から、保険管理人による業務及び財産の管理命令処分を受けた。

 保険管理人による管理のもと、新規契約の募集や更新、保険金の支払などを停止していた。その後、2023年1月31日、スポンサーとなったアフラックペット少額短期保険(株)(TSR企業コード:696617846、法人番号:5011101100889、新宿区)に有効な保険契約がすべて移転。同日、当社は東京地裁の許可により解散していた。
 ペッツベスト少額短期保険によると、「2023年1月31日時点で有効な保険契約は、すべてアフラックペット少額短期保険株式会社(新会社)に移転していますので、ご契約者の方には上記の破産手続開始決定による影響はありません」とし、「解約済みの方についても、2023年3月22日までに新会社にご請求済みであれば、所定の審査を経たうえで新会社から保険金が支払われます」としている。

※ペッツベスト少額短期保険(株)(TSR企業コード:296763837、法人番号:5010001100297、千代田区一ツ橋1-1-1、設立2006(平成18)年6月、資本金10億4032万8800円)

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