【連載コラム】第5回:有望株トップ100から14人が開幕ロースター入り 若手の活躍にも注目!

今季開幕ロスター入りを決定したプロスペクトたち 左からガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)、コービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)、ジョーダン・ウォーカー(カージナルス)、アンソニー・ボルピー(ヤンキース)@Getty Images

大盛り上がりのワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が終了してから1週間が経過し、MLBの2023年レギュラーシーズンの開幕が目前に迫っています。大谷翔平(エンゼルス)、ダルビッシュ有(パドレス)、吉田正尚(レッドソックス)、ラーズ・ヌートバー(カージナルス)のWBC戦士はもちろん、鈴木誠也(カブス)、前田健太(ツインズ)、菊池雄星(ブルージェイズ)、千賀滉大(メッツ)、藤浪晋太郎(アスレチックス)といった日本人選手に今季も大きな注目が集まることになると思いますが、MLBの未来を担うプロスペクト(若手有望株)にも目を向けていただくことで、さらにMLBを楽しむことができるはずです。

これまでは有望株を1年でも長く保有し続けるために、MLBで活躍する実力を持つ選手の昇格を先延ばしにするやり方が主流でした。しかし、ロックアウトの末に締結された新労使協定により、トップ・プロスペクトを開幕ロースターに登録し、その選手が新人王投票で3位以内、もしくはMVP投票やサイ・ヤング賞投票で5位以内に入るような活躍を見せた場合、そのチームは翌年のドラフトで追加の指名権を獲得できるという新制度が作られました。その効果があったのか、昨季はボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)、フリオ・ロドリゲス(マリナーズ)、スペンサー・トーケルソン(タイガース)といった有望株が開幕ロースター入りを果たし、特にロドリゲスはア・リーグの新人王に選ばれる見事な活躍を披露。これにより、マリナーズはドラフト1巡目と戦力均衡ラウンドAのあいだ、全体29位という高順位のドラフト指名権を獲得しています。

有望株を積極的に開幕ロースターに入れる流れは今季も続いており、MLB公式サイトのプロスペクト・ランキング上位5人のうち、1位のガナー・ヘンダーソン(オリオールズ)、2位のコービン・キャロル(ダイヤモンドバックス)、4位のジョーダン・ウォーカー(カージナルス)、5位のアンソニー・ボルピー(ヤンキース)の4人は開幕ロースター入りすることが決定。ヘンダーソンとキャロルは昨季すでにデビュー済みですが、メジャー未経験のウォーカーとボルピーも開幕からレギュラーに抜擢されることになりました。「アルバート・プホルス2世」として期待されるウォーカー、デレック・ジーターの大ファンで自身も「ジーター2世」として期待されるボルピーの2人がどんな活躍を見せるのか、ぜひ注目していただければと思います。

MLB公式サイトのプロスペクト・ランキング上位100人からは、前出の4人のほかにも、23位のトリストン・カサス(レッドソックス)、25位のエゼキエル・トーバー(ロッキーズ)、34位のジョシュ・ヤング(レンジャーズ)、37位のミゲル・バルガス(ドジャース)、43位のハンター・ブラウン(アストロズ)、53位のローガン・オホッピー(エンゼルス)、70位のライアン・ペピオ(ドジャース)、76位のケン・ウォルディチャック(アスレチックス)、85位のオスカー・コラス(ホワイトソックス)、91位のアレック・バーレソン(カージナルス)が開幕ロースター入りする見込みです。レギュラーや先発ローテーションの一員としてスタートする者、故障者の代役に抜擢された者、なんとかベンチ入りを勝ち取った者と立場は様々ですが、今季の新人王争いは彼らを中心に展開していくことでしょう。

もちろん、新人王争いという点では、吉田、千賀、藤浪の日本人トリオを忘れてはいけません。新しくMLBの舞台に登場してくる選手たちがどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。

© 株式会社SPOTV JAPAN