倉敷の三好さん 豪雨乗り越え百寿 「生きとるなら頑張らにゃ」

誕生日ケーキのろうそくを吹き消す三好さん

 被災乗り越え100歳に―。2018年7月、倉敷市真備町の自宅で西日本豪雨に遭った三好美代子さんは、屋根に逃れて自衛隊員に助けられた。あれから5年近く。百寿の節目を元気に迎え「隊員の方や家族、親族ら多くのみなさまのおかげ」と喜んでいる。

 7月7日未明、1階で寝ていた三好さんは、同居のひ孫らの助けで屋根に上がった。自宅は2階まで浸水し、朝になって自衛隊のボートで救助。その時の心境を「家のてっぺんからは、ぐるり泥水。でも生きとるんだったら、もう一度頑張らにゃと思った」と振り返る。

 長崎県五島市の長女宅に身を寄せた後、自宅再建を待ち19年に帰郷。現在は倉敷市内の老人ホームで暮らしている。

 誕生日に合わせて家族約20人が26日にお祝い会を開いた。三好さんはケーキのろうそくを吹き消したり、ひ孫が次々に披露するバイオリン演奏や手品などに目を細めたりした。会場では被災当時からこれまでの生活を振り返る映像も流された。

 三好さんにとっての100年は「戦争も水害もあって、あっという間だった」。集まった親族には「いつまでも健康でいてください」とお礼を述べた。

花束をプレゼントされ喜ぶ三好さん

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