28歳で天国へいったお父さん、6年でこんなに伸びました…がん闘病者へ娘と母が髪の毛贈る

ヘアドネーションのためカットした髪を手に笑顔の松崎智美さん(左)と娘の絆笑さん=薩摩川内市永利町

 鹿児島県薩摩川内市城上町の松崎智美さん(41)、絆笑(にこ)さん(12)親子は25日、医療用かつら向けに髪を寄付するヘアドネーションのため、市内の美容室で50センチ以上切った。絆笑さんは1歳で父・孝行さん(享年28)をがんで亡くした経験から、病気と闘う人を思い6年間伸ばし続けた。

 絆笑さんは小学1年の時にヘアドネーションを知り、小学校卒業時に切ると決めて智美さんと一緒に伸ばした。数十センチの髪は絡まりやすく、乾くのに時間もかかる。途中で切ろうと考えたこともあったが「長い髪用の寄付が少ない」と聞き、我慢した。

 絆笑さんは膝下、智美さんは腰下までの長さに。卒業式を終え、束ねた髪に親子で互いにはさみを入れた。智美さんは約50センチ、絆笑さんは約75センチを寄付する。

 智美さんは「病気と闘う人や家族に、私たちの気持ちが少しでも届いてほしい」と話した。

髪を切る前の松崎智美さん(左)と娘の絆笑さん。6年間伸ばした髪は腰下まで届く=薩摩川内市永利町

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