“被爆者の森” で折れた北海道ライラック植え替え 原爆詩人・原民喜の詩碑修復 平和の願い込めて

ことしは被爆から78年を迎えますが、29日は広島市内で平和の願いを込めた ”2つの修復作業” が行われました。

~ ライラック植え替え ~

平和大通りにある「被爆者の森」。被爆45年にあたる1990年に全国の被爆者団体から贈られた県木などが植えられています。

ここで2022年、北海道のライラックが折れているのが見つかりました。広島市が警察に被害届を出しましたが、結局、折れた原因は分からず、ライラックは枯れました。

木を管理する広島市は、春の訪れを待って29日午前、新しいライラックの苗木を同じ場所に植えました。全国の被爆者の思いが込められた木々は大きく成長していて、このライラックも数年で2メートル程度になるということです。

~ 原民喜の詩碑修復 ~

一方、原爆ドームの横では被爆した広島の詩人・原民喜 の詩碑の修復が行われました。

【映像:1967年/詩碑の除幕式】
こちらは今から56年前、詩碑が原爆ドーム横に完成したときの映像です。詩碑は、民喜をしのんで文学者たちが建てたものです。

この詩碑の追悼文が刻まれた黒御影石の部分に自然劣化とみられる亀裂が入っていたため、管理する広島市が29日、新しいものと交換しました。

詩碑はきれいに修復された状態で、ことしの原爆の日を迎えます。

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