馬英九元中国国民党主席、南京大虐殺記念館を訪問

29日、侵華日本軍南京大虐殺犠牲同胞記念館を訪れ、犠牲となった同胞に深い哀悼の意を表した馬英九元中国国民党主席一行。
29日、侵華日本軍南京大虐殺犠牲同胞記念館を訪れ、犠牲となった同胞に深い哀悼の意を表した馬英九元中国国民党主席(手前)一行。

 馬英九元中国国民党主席一行は29日、侵華日本軍南京大虐殺犠牲同胞記念館を訪れ、犠牲となった同胞に深い哀悼の意を表した。馬氏は取材を受けた際、歴史は絶対に忘れてはならず、われわれすべての中国人は自立自強を図るべきで、そうしてはじめて人にいじめられず、意のままに蹂躙(じゅうりん)されることがなくなると述べた。

 午前9時30分ごろ、馬英九氏一行は侵華日本軍南京大虐殺犠牲同胞記念館に到着し、大型彫刻「古城の災難」の前に進み出て、手に生花を持ち、集団で恭しく起立した。

 人目を引く「300000」の大きな字は、中華の子女全員の心の中にこの上なく痛ましい集団の記憶として刻み込まれている。1937年12月13日、中国侵略日本軍は南京を攻略した後、南京大虐殺という残酷な事件をつくり出した。虐殺事件で亡くなった人は30万の多きに達し、これは極東国際軍事裁判の法廷と日本の戦犯を裁く南京軍事法廷で最終的に言い渡されたものだ。

 中国侵略日本軍の南京大虐殺における江東門集団虐殺地および犠牲となった同胞の合葬地に建つこの遺跡型記念館に入った馬氏一行はずっと荘厳な面持ちをくずさず、彫刻「古城の災難」を前にして献花し、集団で黙とうし、犠牲となった同胞の霊を慰めた。

 その後、馬氏一行は展示ホールに入り、「南京大虐殺史実展」を参観し、南京陥落前の情勢、日本軍の南京侵攻と南京防衛の戦い、南京での日本軍の残虐行為、人道的救助、大虐殺後の南京、戦後の調査や裁判などの方面の状況を理解した。

 「南京大虐殺の歴史に関する書物、写真をこれまで若干目にしていたが、今日のように大きな衝撃を受けたことは一度もない。なぜなら、これは人類の歴史上まれに見るけだもののような行為であり、中国人がその最大の被害者であるからだ」、馬氏は取材を受けた際、こう述べ、中国人たるものは海峡のどちらの側にあっても自立自強を図り、外部からのいじめに対しては勇敢に抵抗しなければならないと指摘、今回学生を連れてきたのは、彼らが台湾では十分にわからないかもしれない事をよく知り、自身の今後の発展の重要な参考にしてもらいたいからだと述べた。

 侵華日本軍南京大虐殺犠牲同胞記念館は1985年8月に完成し、オープンした。館内の貴重な文物は反論することのできない事実をもって人々に当時の歴史を伝えている。三つの基本陳列では計4000枚近くの写真、1万点近くの文物収蔵品、260本余りの映像資料が展示され、そのほか「万人坑」遺跡が保存され、彫刻広場、哀悼広場、祭場、平和公園、勝利広場などを設けている。
 記念館は長年にわたって台湾との交流を行い、これまでに第4回海峡両岸抗日戦争史学術シンポジウム、台湾光復〈台湾における日本の植民地支配が終わったことをさす〉75周年記念ビデオ交流などのイベントが開催されている。2018年、記念館は台湾で「歴史を鑑とし、民族を復興させる―南京防衛戦・南京大虐殺史実展」を開催し、新北市の滬尾砲台では両岸同胞による南京大虐殺犠牲者追悼式典が行われた。〔南京3月29日発新華社=中国通信〕

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