西粟倉村を連携事業の社長が侮辱 村議会は契約撤回要求 対応を協議

建設が始まっている宿泊交流施設=西粟倉村影石

 岡山県西粟倉村との連携事業で宿泊交流施設の整備を進めている民間会社の社長が、地方自治体や議会を侮辱する発言をしたとして辞任する意向を示したことが29日、村への取材で分かった。村は発言を問題視する村議会から事業契約の撤回を求められ、対応を協議している。

 会社は、まちづくりや観光開発を手がける「ワンテーブル」(宮城県多賀城市)。村や村議会によると、社長は、小規模自治体や議会を念頭に「行政機能を分捕る」「地方議会は雑魚」などと社外の知人に話したことを地元紙に報じられ、発言を認めて23日に辞任の意向を表明した。

 村議会は28日午後、非公開の全員協議会を開き、社長から直接謝罪を受けた上で対応を協議。契約撤回で意見が一致する一方、村の財政負担が増大する可能性もあるとして引き続き協議するとした。

 社長は取材に「村の皆さんの気持ちを傷つけてしまい、真摯(しんし)に謝罪したい。(事業についての)判断は村と村議会に委ねる」と話した。山下英輔副村長は「発言は不適切で遺憾。議会と情報共有して対応していく」とした。

 同村とワ社の連携事業は、事業費13億9千万円を見込んで建設している宿泊交流施設や、2023年度に村の第三セクターから引き継ぐ道の駅など観光関連3施設の運営がある。

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