川崎市立小の教職員が出張費不正受給、16人処分 自家用車での移動で「持ち出しになることが多く」

川崎市教育委員会が入るビル

 川崎市教育委員会は29日、市立南野川小学校(宮前区)で2018年4月から今年1月までに、702回にわたり計54万293円が出張の旅費として不正に支給されていたと発表した。市教委は同日までに、男性校長(62)や女性教頭(55)を含め、現在の在籍数のほぼ半数に当たる教職員16人を懲戒処分とした。

 市教委によると、教職員16人はいずれも市内外の学校や教育施設などに出張する際、自家用車で移動したにもかかわらず、電車やバスで移動したと装って料金を請求していた。不正に支給された旅費は全額返還されている。

 同校まではJR武蔵小杉駅からバスで20分ほどかかり、周辺地域は交通の便が悪いため自家用車で通勤する教職員も多いという。同市では出張時の自家用車の使用や、それに伴う経費請求が認められていないが、こうした状況もあり、常態化していたとみられている。昨年12月に市議の指摘で発覚し、市教委が調査していた。

 市教委の聴取に対し、男性校長らは「(教諭が一部費用を負担する)持ち出しになることが多く、不適切という認識が薄かった」などと話しているという。

 処分内容について、男性校長と女性教頭は減給10分の1(3カ月)、男性事務職員(48)は減給10分の1(1カ月)、25歳~58歳の男女教職員は戒告とした。

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