【電子処方箋】患者からの口頭同意で過去の薬剤情報を取得できるよう機能改修へ/重複チェックアラートの実効性高める

【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。患者からの口頭同意によって薬剤情報取得を可能とする機能改修を行い、重複チェックアラートの実効性を高める考え。

現状の電子処方箋システムでは患者の同意有無に関わらず重複投薬等チェックは実施されるようになっている。しかし、具体的な施設名や薬剤名については患者からの口頭確認を行わなければならず、患者・医療従事者双方の負担となることや、正確性を欠くなどの問題点があり、重複チェックの機能を最大限活用できていなかった。
こうした中、個人情報保護を前提に、現場負担の軽減と医療安全性を高めていくため、オンライン資格確認端末で患者が不同意を選択した場合やオンライン資格確認端末上での同意をとることができない保険証での受診時においても、診察室等で患者が口頭同意を行った場合は、対象薬剤を表示できるよう改める方針とした。

今春頃に技術解説書を改訂し、各施設でシステム改修可能とする予定。併せて、患者向け周知広報も実施する予定。

なお、口頭同意を取得するフローは下図の通り。

また、同意のある・なしによる前後の画面(イメージ)は以下の通り。

口頭同意を取得したことの証跡については、現場の運用負荷も考慮し、書面等によって証跡を残すことは必須とはせず、医療機関等のシステムにおいて、口頭同意を取得した旨の記録を残すことを検討する。電子処方箋管理サービス側では、同意取得方法が顔認証付きカードリーダーによるものか、口頭によるものかは管理せず、あくまで同意があるかないかによって返却する情報を変えることとする方針。

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