【電子処方箋】院内処方への対応を検討へ/電子カルテ情報共有との整理も課題に

【2023.03.30配信】厚生労働省は3月29日、「第12回健康・医療・介護情報利活用検討会」を開催し、この中で電子処方箋の今後の予定も報告された。主に「リフィル処方箋への対応」「患者からの口頭同意による薬剤情報を取得」「院内処方への対応」という3つの機能改修の予定について報告されたもの。院内処方への対応については電子カルテ交換サービス(仮称)の整備が進む中、電子カルテ情報共有との整理も課題とされた。

電子処方箋サービスは現状、院外処方箋のみが対象となっており、網羅的に患者の薬剤情報をカバーするためには、お薬手帳アプリ等による院内処方時の薬剤情報等の情報補完が必要となっている。
なお、院外処方率は令和3年に78.3%に達している(出典:令和3年社会医療診療行為別統計の概況)。

こうした中、院内処方の割合が高い医療機関からは、入院時の薬剤情報の閲覧や院内処方分を含めた重複投薬等チェックを実施できるようにすることで利便性が一層高まるとの指摘が出ていた。診療所や薬局側からも、退院時処方情報が閲覧できれば、退院後の患者フォローアップにも有用であるとの指摘もある。

こうしたことから、厚労省では院内処方における電子処方箋サービスへの対応を検討することとした。
院内処方への機能拡充を検討していくにあたっては、院内処方の法令上の位置づけの整理や対象とする院内処方の範囲が検討項目として挙げられる。また、電子カルテの「3文書6情報」に院内処方情報が一部含まれるため、整備への検討が進む電子カルテ情報交換サービス(仮称)との関係整理も必要とされた。

今後、上記を踏まえ、関係部局と連携しながら取り組む方針。

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