田渕さんに新人賞 松尾芸能賞・琉球音楽部門 「賞の名に恥じぬよう精進」

 【東京】日本の文化・芸能の保存・向上に寄与した技術者を表彰する第44回松尾芸能賞の贈呈式が29日、千代田区の帝国ホテルであった。琉球古典音楽安冨祖流絃聲会師範の田渕愛子さん(44)へ琉球音楽部門の新人賞が贈られた。

 同賞は松尾芸能振興財団の主催。県内からの受賞者は4人目で琉球音楽部門では初となった。田渕さんの師匠で、琉球古典音楽の人間国宝、照喜名朝一さんが1983年に民俗音楽部門で受賞している。

 田渕さんは「ここまで私を導いてくれた師匠の照喜名先生と同じ賞を受賞できて感慨深い。これまで琉球音楽、歌三線に携わってきた多くの先達の熱い思いとともに、この賞を賜り、今後も賞の名に恥じぬようしっかりと精進を続けていきたい」と述べた。

 田渕さんは岡山県生まれ。2001年4月から照喜名さんに師事して20年以上、古典の修行に専心。贈賞理由で同財団は、昨年11月の都内での独演会を挙げ、琉歌古典語の高度な音楽表現者と実証し「後続に大きな刺激を与えることも期待される」と言及した。

 (斎藤学)

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