集団暴行で約24mの屋上から飛び降りさせ… 男性(19)は失明、高次脳機能障害 男(19)の懲役6年 実刑が確定

去年、広島県府中町の商業施設で男性が集団で暴行され、立体駐車場から飛び降りを余儀なくさせられた事件をめぐる、ただ一人起訴された19歳の男の裁判で、男側、検察側の双方が、期限の28日までに控訴せず、懲役6年の実刑判決が確定しました。

この裁判は、広島市東区の無職で19歳の男が、去年6月、府中町にある商業施設で当時19歳の会社員の男性を集団で暴行し、高さ24mの立体駐車場の屋上から飛び降りることを余儀なくさせ、地上に転落させるなど、あわせて7つの事件で傷害などの罪に問われたものです。

14日の判決で、広島地裁は、「ほとんど無抵抗の被害者に対して面白半分に一方的に苛烈な暴力をふるい、屋上からの飛び降りを決断させるまでに追い詰めた。被害者を肉体的精神的に痛めつけた『弱いものいじめ』といえる」などと指摘。

「被告人が特定少年であり、責任ある大人としての振る舞いが期待される年齢であることを踏まえると、保護処分の選択は社会的に許容し難い」として、懲役6年の実刑判決を言い渡しました。(求刑 懲役8年)

期限の28日までに、男側、検察側いずれからも控訴はなく、実刑判決は確定しました。

男の弁護人によりますと、控訴をしなかったのは、本人の意志によるものだということです。

この事件では、事件に関わったとして複数の少年らが逮捕され、男はその中で唯一、家庭裁判所に送られたあと、「犯行を主導した」として、検察官送致(逆送)されました。その後、検察に起訴されたことで、20歳以上と変わらず、公開の刑事裁判で裁かれました。

去年4月施行の改正少年法で18・19歳は「特定少年」と位置付けられ、実名報道も可能となりましたが、検察は実名を公表せず、裁判は匿名で進められました。

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