思い出に風船飛ばす 清川保育所で休園式

園庭で風船を飛ばす園児(29日、和歌山県みなべ町清川で)

 新年度から休園となる、和歌山県のみなべ町立清川保育所で29日、休園式があり、保育所や町の関係者、園児、保護者らが参加。園児が元気いっぱいに歌い、思い出にと風船を飛ばした。

 小谷芳正町長は「休校した小学校が再開したケースもある。清川も若い人がどんどん増え、再開できればと思う」、内川智秋所長は「新年度から通うことになる高城保育所へも、これまで同様に楽しく通ってもらえるよう頑張っていきたい。見守っていただきたい」とあいさつ。来賓紹介の後、園児10人が「ありがとうの花」を元気いっぱいに歌った。

 園庭では、菓子まきを楽しみ、青や緑、赤、黄のゴム風船を飛ばした。「ピュー」という音とともに勢いよく飛び、園児らは大喜びしていた。

■タイムカプセル埋設

 この日、園庭にタイムカプセルを埋めた。園児が21~26歳になる20年後に開封する予定。

 保護者会が企画した。坂本光会長(35)は「開封の時はみんな20歳を超えている。思い出に浸ってもらえればと思う」と話す。

 カプセルに入れたのは、将来の自分に宛てた手紙、絵、手形、保護者が書いた手紙、文集、スナップ写真のスライドショーを収録したDVDなど。1人ずつ入れ、前日に保護者が園庭に碑を建てて掘っておいた穴に埋めた。碑には園児10人の名前が書かれている。

 年長児の古川茜ちゃん(6)は「ケーキ屋さんになるのが夢なので、そんな自分に宛てて書いた。絵も描いた。見るのが楽しみ」と話していた。

 清川では、地元の中家和子さんが1969年に清川天宝神社で託児所を開いた。翌年に村は村営住宅で保育所を開所。翌年に現在の場所に整備された「へき地保健福祉館」に移り、95年に園児数が50人を超えたことから増築した。その後、老朽化により2013年に建て替えた。53年間で546人が卒園した。

 休園は、園児数が減少していることから、友達と遊ぶなど成長に必要な環境を確保することを目的に決めた。清川の新年度の園児数は9人で、高城保育所(みなべ町広野)に通う。

将来の自分に宛てた手紙などが入ったタイムカプセルを埋める園児

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