【豪華客船クルーズ最前線】洋上最大級の図書館も!意外とお得なクイーン・エリザベスの居心地徹底ルポ

パンデミック後、筆者にとって初のクルーズ乗船は、キュナードのクイーン・エリザベスのショートクルーズでした。場所はオーストラリア。シドニーからメルボルンまでの2泊3日のクルーズです。前回は乗船するまでをご紹介しましたが、いよいよ乗船。世界でもっとも有名なクルーズ船のひとつ、クイーン・エリザベスの船内へとご案内しましょう。

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ついにクイーン・エリザベスの船内へ

飛行機の国際線に乗るときのようなチェックインを終え、胸を高鳴らせながら、いざ、クイーン・エリザベスへ。真っ先にお出迎えしてくれたのは、3層吹き抜けの「グランド・ロビー」です。木材を多用していて、とてもシックな印象。寄木細工の壁画は初代クイーン・エリザベスをモデルにしているんですって。

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船内を見学しつつ、自分の客室へと向かうわけですが、その前に、クルーズの代金についてご紹介します。

クイーン・エリザベスに限ったことではありませんが、クルーズ代金には、乗船代や客室の利用料などのほか、船内での食事、劇場で行われるショーなどのエンターテイメント、プールやジムといった施設の利用やアクティビティの利用費が含まれます。

ただ、スパの利用や一部のレストランなど有料のサービスもあります。アルコールなどのドリンク代も有料です。とはいえ、クルーズ代金だけで過ごすのも決して難しいことじゃありません。クルーズって、意外とお得な旅のスタイルなんです!

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本格的なダンスフロアを備えているのも、キュナードが運航する船の大きな特徴です。「ガラ・イブニング」(フォーマルウエアがドレスコードの日。コースにもよりますが航海中3日に1回程度の頻度で実施されます)の開催日は、正装した紳士・淑女たちがここでダンスを繰り広げるわけです。

ダンスとは無縁という人もご安心を(笑)。クルーズ中、船内ではさまざまなアクティビティが催されていますが、クイーン・エリザベスでとくに人気が高いのがダンスレッスン。初心者向けの社交ダンスのレッスンもありますよ。私はズンバのレッスンに参加してみましたが、かなり盛り上がっていました!

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こういった船内でのアクティビティは、毎夜、客室に届く「船内新聞」に書かれています。船内新聞を見ながら、興味のあるイベントをチェックするのがまた楽しいんです!

洋上最大級の「図書館」がかっこいい!

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「図書館」も同船のとても特徴的な施設のひとつじゃないでしょうか。館内には木製のらせん階段があり、デッキ2とデッキ3をつないでいます。約6000冊の蔵書を持ち、日本語の書籍もありましたよ。一部の本は、自分が持ってきた本と交換可能できるのだとか。そういうの、なんだかステキですよね。

「ロイヤル・コート・シアター」も見逃せません。3層(デッキ1~3)吹き抜けのシアターです。クルーズ船に劇場はつきものですが、800人以上を収容できるというのは洋上の劇場としてはかなりの規模。ボックス席を備えているのもレアです。ちなみに、命名式の際、英国女王エリザベス2世は、15番のボックス席に着座されたそうですよ。

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ほかにも、クルーズには欠かせない(?)カジノに、6つのダイニング 、12のカフェやバーやラウンジやパブ、フィットネス施設、プール、ジャグジーなど盛りだくさんです。

客室はコンパクトながらも居住性は抜群!

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だいぶ寄り道しましたが、ようやくこれから3日間、ステイする客室にたどり着きましたよ。今回、利用したのは、もっともスタンダードなカテゴリーの、海側バルコニー付きの客室です。代金は、じゃじゃーん。今回の場合、6万円~となります(1室2名利用時の1名分のクルーズ代金)。前述したように、食事代やエンタメ代が含まれていることを考えると、そう高くないんじゃないでしょうか。内側の窓なしの客室なら、4万3000円から船旅を楽しむことができます。

当たり前といえば、当たり前ですが、クルーズの代金は、利用する客室によって異なります。クイーン・エリザベスでは、客室カテゴリーごとに利用できるメイン・ダイニング(レストラン)が決まっています。もちろんカテゴリーの有無を問わず利用できるレストランもありますが、そのあたりは次回、改めてお伝えしますね。

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ジェームズ・キャメロンが監督・脚本を手がけ、レオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが主演した、映画『タイタニック』を思い出していただくとわかりやすいかもしれません。映画はかなりデフォルメされているでしょうし、そもそも100年以上前の話です。あれほど大げさなものではありませんが、イギリスの伝統を継承するキュナードが運航するクイーン・エリザベスは、今もこういった古きよき伝統を大切にしているのです。

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余談になりますが、タイタニックと、クイーン・エリザベスを運行しているキュナードは深~い関係にあります。1912年、イギリス・サウサンプトン港からニューヨークへ向かう処女航海で途中に沈没したタイタニックの救助に、いち早く向かったのは、キュナードのカルパチアでした。その後、キュナードは、タイタニックを運航していたホワイトスター・ラインと合併。ホワイトスター・ラインのおもてなしは、「ホワイトスター・サービス」としてキュナードに引き継がれているのです。

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で、今回の客室ですが、コンパクトながらも居住性は抜群でした。バスタブはありませんが(上のカテゴリーには、バスタブを備えた客室もあります)、お湯に浸かりたければ、パブリックスペースにジャグジーもありますしね(笑)。バスアメニティは英国王室御用達のペンハリガンでした。

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バルコニーもいい感じです。個人的には、クルーズ船に乗るなら、バルコニーは確保したいところ。充実のパブリックスペースを味わい尽くしたいという思いもありますが、自室のバルコニーで、ぼうっと海を眺める時間がまたよいのです。朝食をルームサービスでいただくのもいいかもしれません。

夕暮れどきの出航は大盛り上がり!

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落ち着いたら、今度は上の階層へと足を運んでみましょう。デッキ9には、ブッフェダイニングの「リド・レストラン」があります。出航前から、すでに多くのゲストがランチを楽しんでいました。外にはお酒や軽食が楽しめるバースペースがあります。

私も久々のクルーズ乗船を祝おうかと、キュナードの客船でしか飲めないクラフトビール「CUNARD GOLD(キュナード・ゴールド)」をオーダーしてみました。喉を潤したら、客室で少し休むとしましょう。

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出航は19時。その瞬間をデッキで過ごそうと、18時すぎに客室を出てふたたびデッキ9に向かったのですが、考えることはみな同じですね(笑)。デッキ9にはすでに多くの人たちが集まっていました。

ここは、シャンパンで乾杯、と行きたいところです。いよいよ出航となり、船がゆっくりと進みだしたときはさすがに感慨深いものがありました。

次回は、クイーン・エリザベスの「食」の楽しみをご紹介しましょう。

取材協力:キュナード・ライン

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