オジエは9度目のタイトルを目指すのか。WRC参戦数を増やす可能性についてラトバラが語る

 WRC世界ラリー選手権において過去8度にわたりドライバーズチャンピオンを獲得し、2023年もTOYOTA GAZOO Racing WRTの一員としてWRCのトップカテゴリーに参戦しているセバスチャン・オジエ。彼は昨季2022年からフル参戦をやめ、一部のラウンドを選択して出場するパートタイム・ドライバーとなっているが、オジエが参戦するラウンドを増やす可能性についてTGR WRTのヤリ‐マティ・ラトバラ代表が言及した。

 8度のWRCチャンピオンという輝かしい経歴を持つオジエは、2023年はTGR WRTのパートタイム・ドライバーを務め、個人のスケジュールに合わせて参戦するイベントを選んでいる。なお、チームやオジエ自身から正式なアナウンスはないが、その数は7戦程度とみられる。

 しかしながら開幕戦モンテカルロ、今月行われた第3戦メキシコと、今季これまでに出場した2戦をどちらも制したオジエは、4月20日~23日に開催されるクロアチア・ラリーを翌月に控えた現在、3ポイント差でドライバーズランキングをリードする立場にある。

 自身もWRCで18回の優勝経験を持つラトバラは、オジエにとって9度目となるドライバーズタイトル獲得に向け、39歳のフランス人が当初の予定よりも多くのラウンドに参戦する可能性を示唆した。

「まだわからないよ。というのも、あまりプッシュしすぎると事態が間違った方向に進んでしまう可能性があるからね」とWRC.comに語ったラトバラ代表。

「こちらから提案するのは難しい」

「セブ(セバスチャン・オジエ)自身がラリーへの出場を希望する必要があるし、彼が本当に納得していなければならない」

「私も最初は(オジエの参戦数を増やすことについて)考えたんだ。でも、『7戦に出場する』と言ったのは彼自身だし、彼がチームにとって非常に強力な人材であることも充分に理解している。もう少し提案してみたらどうかって? さあ、どうだろうね」

 今シーズン、TGR WRTのエントリーにおいてオジエが不在のラウンドでは、日本人ラリードライバーの勝田貴元がマニュファクチャラーズポイントの獲得が可能なチーム3台目のトヨタGRヤリス・ラリー1をドライブしている。勝田は2月のラリー・スウェーデンで初めて3台目のワークスマシンをドライブする役を務めた。

 チームを率いるラトバラによると、オジエは必要であれば勝田の代わりに特定のイベントに呼ばれる可能性があるという。

「我々はチャンピオンシップを見据えることができるし、チームにはセブがいる。本当に素晴らしいことだよ」とラトバラ氏は付け加えた。

ヴァンサン・ランデ(左)、ヤリ‐マティ・ラトバラ(中央)、セバスチャン・オジエ(右) TOYOTA GAZOO Racing WRT

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