大和市長選、現職大木氏が出馬表明 「今期で卒業」を撤回 「辞めないでとの声が寄せられ」

5選出馬を表明した大木哲市長=大和市内

 任期満了に伴う神奈川県大和市長選(4月16日告示、23日投開票)を巡り、大木哲市長(74)は30日、市内で会見し、5選に向けて無所属で出馬する意向を表明した。大木市長は先月、次期市長選に立候補しない考えを示していた。同市長選には、ともに新人で市議の古谷田力氏(54)と小田博士氏(48)=表明順=が立候補の意思を示し、一騎打ちが見込まれていたが、現職の出馬で情勢が一変しそうだ。

 大木市長は「今期で卒業」とした前言を撤回した理由について、「その後、辞めないでほしいとの声が市民の皆さまから次々に寄せられ、応える責任があるという思いに至った」と釈明した。

 大木市長は2月9日の新年度予算案の発表会見で5選不出馬を表明。4期16年間掲げてきた健康都市の実現に向けて「基盤ができた」と一定の成果が出たことを理由に挙げた。一方、任期途中で辞職した前副市長の金子勝氏(66)が職員へのパワーハラスメントを告発した問題を巡り、市議会が可決した辞職勧告決議の影響は否定した。

 この日の会見で大木市長は「(不出馬の表明以降)全く知らない市民からももってやってほしいと言われ、戸惑い大変悩んだ。市民の信任で当選した政治家として、私個人の決断よりこうした声を優先させた」と述べた。

 5期目に向けた政策は「新規のものより、これまで行ってきた政策の地固めをする。独居高齢者や子育て世帯への支援など少子高齢化問題に引き続き取り組みたい」とした。

 2新人が市長選の争点と訴える世代交代に対しては「時代が難しい局面を迎える中、豊かな経験を持つリーダーがふさわしいのではないか。実行力や行動力が問われる」と指摘した。

 自身のパワハラ問題については「今回、市民から言及はなく、争点にならない。いずれ裁判で明らかになる」と話した。

 また、4月13日の立候補予定者を対象にした公開討論会(大和青年会議所主催)に出席しない考えも示した。

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