<金口木舌>「さあ来い」運動の夏

 8日に初日を迎える大相撲夏場所で、新関脇に昇進した琴勇輝(佐渡ケ嶽部屋)が長年の所作を封印した▼仕切り前、せき払いのような動作から気合を入れる「ホウッ」の声はファンにも定着した。横綱白鵬に注意されても止めずに貫いたが、日本相撲協会審判部から「土俵上の雄たけびは昔なら考えられない。目に余る」との“物言い”がついて年貢の納め時に

▼「さあ、来い」。先週行われた県春季中学ソフトボール女子決勝、打席に立った中学生は闘志満々だった。大事にしてきた攻守での掛け声を存分に出し切った鏡原が桑江を下して頂点に立った。ベンチで打者の出塁に沸き、劣勢にも「まだ終わってない」と鼓舞する

▼リオ五輪出場を決めた卓球の福原愛選手が有名な「サー」の掛け声。先日あったホープス卓球県予選でも会場に「サー」「ヨー」「ホー」と響いた。未来の五輪選手かもしれない小学生の気合が頼もしい。小さい子ほど喜んでも悔しくても全身全霊。たまには見習いたい

▼とはいえ大人には事情もあって。「言われたことを受け止める姿勢が大事」とは注意された琴勇輝の弁。香川県から56年ぶりに出た注目の新三役、きっぷのいい相撲で見返そう

▼県高校総体先行競技の自転車はきょう開幕する。若者が伸び伸びと挑戦するスポーツの夏到来だ。自由に躍動する姿を楽しみにしよう。

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