神奈川県内各地で春の光景 松田・しだれ桜 秦野・淡墨桜 地元住民が育てた花、今年も

満開を迎えた樹齢250年のしだれ桜=松田町寄

 神奈川県内各地で桜が満開となっている。地元住民が育て今年も花開いた淡いピンクや白の光景に、ハイカーらも春の訪れを感じていた。

 松田町寄(やどりき)地区ではしだれ桜が見頃を迎えている。「寄しだれ桜まつり」が4年ぶりに開催され、松田「最古」といわれる樹齢250年のしだれ桜が咲く土佐原地区の岡部昌典さん(82)も自宅敷地を公開。上品な色合いから「みやま淡彩桜」と名付けられ、江戸時代から先祖代々受け継がれた長寿の木に岡部さんは「よく今まで咲いてきた。自分も頑張って長生きしなきゃ」と目を細めた。

 中津川の川沿いでは約220本が満開。見頃は週明けまで続くという。

 秦野市蓑毛の「淡墨桜」も満開。満開時に枝いっぱいに白い花を咲かせ、散り際には名の通りに花びらが淡い墨色に変わりゆくという。桜を育てる猪股義晴さん(74)は「夜の姿はまるで“化粧直し”のようであでやか。昼夜の違いも楽しんで」と話す。一般公開され、日没から午後7時半まではライトアップされる。見頃は今週末までという。

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