壱岐市周辺の洋上風力発電 候補エリア5カ所承認 条件添え長崎県に情報提供へ

 長崎県壱岐市洋上風力発電等導入検討協議会(会長・河邊玲長崎大教授、22人)は27日、洋上風力発電の導入可能性エリアに市周辺海域5カ所を抽出することを承認した。配慮するべき条件などを添えて、県に情報提供する。その後、県から国への情報提供を経て、再エネ海域利用法に基づく手続きに入る流れ。
 洋上風力発電は、政府が洋上風力発電普及法に基づく促進区域を指定し、国が事業者を公募。県内では2019年、五島市沖が指定され、壱岐、対馬両市も国の促進区域指定を目指している。県洋上風力発電ゾーニング導入可能性検討協議会が21年、壱岐、対馬各周辺海域の計5カ所を洋上風力発電導入の候補エリアとすることを了承していた。
 壱岐市は20年1月、同協議会を設置。同協議会は市民や漁業関係者、運航事業者らとの協議、調整を図りながら、候補エリア案を検討し、本年度中の承認を目指していた。
 同協議会がまとめた配慮すべき条件は、▽現行の漁場利用への影響を最小限に抑える▽船舶航行の安全確保が可能な航路幅員確保▽海底ケーブルと接触しないよう適切な措置を講じる-など。市は今後も関係者らとの協議を継続し、国や県、発電事業者との協議に地域の意見を反映させる。

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