[全国ミニバス] 186cmの小学6年生・河野琉唯、目標は「ヤニス・アデトクンボのような選手」

「第54回マクドナルド全国ミニバスケットボール大会」は本日男子2日目、大会4日間の最終日を迎えている。

全国から全94チームが集結した今大会の中で、男女を通じて最長身となった選手が、ザ・イーグルスクラブ(京都)の6年生#18河野琉唯だ。その身長は驚異の186cmと、150〜160cm台の選手が多いチームの中では頭ひとつ飛び抜けている。


【第54回全国ミニバス全試合配信「バスケットLIVE」】

初戦となった昨日の高花クラブ(千葉)戦でスタメン出場した河野の、自慢の長身を生かしてゴール下で大きな存在感を放った。特にリバウンドとブロックショットは圧巻。まだ細身ながら走力もあり今後を楽しみにさせるプレーを随所に見せた。ただ、現時点ではまだ眠れる才能といったところ。前述したリバウンドやブロックショット以外にはまだ武器は少なく、初戦は無得点に終わっている。

河野自身も「思ったより相手もみんな体が強くて大きかったので、いつもとは違うような試合になったと思います。リバウンドやブロックがたくさんできたのは良かったですけど、得点がゼロだったのでそこはもっと頑張らないとと思います」と、初めての大舞台で全国のレベルに苦戦したようだ。

そんな河野だが、本格的にバスケを始めたのはザ・イーグルスクラブに入った昨年の7月。父がフィリピンと日本のハーフ、母が日本人とのことで、小学5年生までは父の仕事の都合でアメリカのカリフォルニアで暮らしていた。「お兄ちゃんもお父さんもバスケが好きだったこともあって、バスケ自体は幼稚園生の頃からやっていたんです。でも、アメリカにいた頃は入っていたチームも弱くて、僕もあまり本気でやる気が起きなくて…(笑)」と、当時は遊び程度でプレーしていたそうだ。

それでも、帰国するなり今のチームメイトから誘われてザ・イーグルスクラブに入団。「日本でこんなに強いチームに入れてバスケが楽しくなりました」と、今は競技に夢中になっている。

小西正宏コーチは河野について「やっぱりアメリカンというか。向こうと日本の文化の差というのもあると思いますが、彼はチームを盛り上げるのが大好きで、ムードメーカーというか、ベンチでもよく声を出してくれますし、チームの雰囲気が良くなったと思います。入って1年も経っていませんが、キャプテン(#4 西村桃李)なんかが引っ張ってきた土台にあの子がマッチのしたかなと思ってます」と、特に人間性の良さについて説明してくれた。

プレーの面でも「将来的なことも考えて普段から『外からのプレーもしよう』とは伝えていて、練習なんかではやっているんですけど、試合となるとまだ難しいですね(笑)。でも、チームに入って周りの子たちもうまいし、それに刺激を受けてバスケがすごく楽しいというふうに変わってきていると思います。スキル練習などの細かいことも最初は得意じゃなかったのですが、今は自主練もするようになってきています。自分が求める選手像に近付いてくれたらいいなと思います」と、長い目での成長を期待している。

河野自身は「バックスのヤニス・アデトクンボが好き」だそうで、「難しいドリブルなどはあまりせずに、それでもドリブルで突っ込んでいって難なくシュートを決められるのがすごく魅力です。僕も今は細いけど、これからはもっとハンドリンスキルも身に付けてヤニスのようにパワフルでもあり、ドリブルなんかもできる選手になってきいきたい」と、世界最高のパワーフォワードを目標に掲げている。

現時点での河野はお世辞にも“巧い選手”とは言えない。ただ、大事なのは未来である。そのためにも「バスケが楽しい」と思える心を持つことが今は最も重要だ。

河野はキラキラと光り輝くダイヤの原石であることは間違いない。そして、彼自身が憧れるアデトクンボもプロ入り以前は磨かれる前の原石だった。数年後の未来にこの才能がどう磨かれ、どう花開くのか。今から楽しみでならない。

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