定住促進へ初の戸建て 17世帯入居、交流棟も 茨城県境町が整備

ガレージハウスの前でテープカットする橋本正裕町長(左から4人目)ら関係者=境町西泉田

移住定住政策として茨城県境町が整備を進めていた第5期定住促進住宅が同町西泉田に完成し、現地で24日、落成式が行われた。これまで手がけてきた集合住宅(マンション)タイプではなく、一戸建て住宅とガレージハウスを整備し、入居者同士の交流の場となるコミュニティー棟は世界的な建築家・隈研吾氏が外装デザインなどを監修した。

2024年春の完成を目指すグランピング施設の隣に建てられ、敷地面積は7326平方メートル。ハワイ語で「家族」を意味するOhana(オハナ)タウンと命名された。木造2階3LDK住宅12棟、住居と車庫が一体となった木造2階建てのアメリカンガレージハウス5棟のほか、テレワークルーム2室とホールを備えた木造平屋のコミュニティー棟1棟を備え、屋外にはバーベキュー広場がある。

維持管理費を含めた総事業費は約5億9800万円。建設費約4億5千万円のうち、国の社会資本整備総合交付金1億8100万円を充てた。

3月末までに17世帯51人が引っ越してくる予定で、入居者は25年間家賃を払い続けると持ち家となる。今回は17棟に対し、県外は三重、京都、神奈川、県内ではつくば、守谷などから55件の応募があった。

落成式で橋本正裕町長は「町としては初の一戸建て住宅となる。(オハナタウンに)移住して来る人たちに、いかに喜んでいただけるか、町としても住民の声を聞き、境町に住んで良かったと言われる施設にしていきたい」とあいさつ。第6期分は既に予算を獲得していることから「一戸建て住宅第2期を計画していきたい」と意欲を見せた。

定住促進住宅は2018年から毎年整備し、これまでにマンションタイプ全108戸が完成している。

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