「何かおかしい2」原案・雨穴の素顔に迫る…栗原さん、お面の数、小さい雨穴!?「自分で推理していくように話を作っていますね」

今最も注目を集めているオカルトホラー作家の雨穴さんが原案を務める、ドラマ「何かおかしい2」(テレビ東京ほか)。2022年6月に放送されたシーズン1が好評を博し、待望の第2弾がいよいよ4月4日より放送開始です。

本作では舞台をインターネットラジオ「オビナマワイド・ネオ」に移し、そのおかしさに拍車がかかっているようで…!? 後戻りできない生放送のラジオという空間で、ささいな違和感が次第に予想もつかないような恐怖に変わっていくその展開から目が離せません。

今回は、原案の雨穴さんを直撃取材! 11万字書き下ろしの長編小説「変な絵」が32万部超えのベストセラーになるなど、オカルトホラー作家兼YouTuberとしてさまざまな作品を生み出し、人々を魅了する雨穴さん。全身黒づくめに白いお面という外見でその素顔は謎に包まれている中、ドラマのエピソードの意外な作り方をはじめ、雨穴さんが執筆する作品に必要不可欠な存在である“栗原さん”について、また衣装やミュージックビデオに関する貴重な裏話など、たっぷり明かしてくれました。

――待望のシーズン2ということでいろんなエピソードが登場するかと思いますが、好きな回を教えてください。

「私が気に入っているのが、第2話(4月11日放送)の『おだいこさま』で、家族写真のある部分が奇妙な形に切り抜かれている話ですね。これは元々、私がアルバムの家族写真を見た時に、所々切れていたり抜けている場所があって。『それはどうしてなんだろう?』という謎をドラマの制作チームの皆さんに投げかけたら、その回答としてこのエピソードを作ってくださったんです。それを視聴した時に『こういうふうに答えてくださったのか』と、自分とはまた違う感覚ですごく面白いなと感じたんですよ。毎話の作り方はそれぞれ違うんですが、この第2話の作り方はとても面白くて印象に残っていますね」

――制作チームの皆さんがどんな答えを作られたのか必見ですね。では、ご自身が執筆する時はどんなことを意識されていますか?

「自分で推理していくように話を作っていますね。例えば、人が亡くなった場所に幽霊が出るとして、じゃあどうしてそんなことが起きているのか? その理由はもしかしたらこうかもしれない、いや、また違う理由なのかもしれない…といろんな可能性を考えながら話を作っています。最初からその答えを決めているわけではなく、さまざまな可能性を想像して徐々に作っていきますね。でも、何でもありではなくて、結果的には話の展開にちゃんと筋が通ってロジカルに作れているかという部分も意識しています」

――お話によく登場する“栗原さん”についてお伺いします。雨穴さんが話の中での謎を解決するために相談する相手ですが、どのようにそのキャラクターを作られているのでしょうか?

「彼は、とにかく理屈っぽくてあまり人の気持ちを考えない、友達になりたくないタイプをイメージしています。『変な絵』の動画内でも、『自分はこの謎を5分で解いたので、雨穴さんなら20分もあれば解けるんじゃないですか?』とちょっと張り合ってきたり、そういう部分を隠さない人ですね」

――そこに何か狙いがあったりされますか?

「物語を展開させるために、そういうキャラクターにしています。というのも、動画の中の雨穴のキャラクターはすごく思慮深いという設定にしているんです。だから『こういうことを聞いたら失礼なんじゃないか?』みたいなことを気にしていたりするんですが、それだと話が進まないので。栗原さんは、それをさらっと超えて人のプライバシーに関わる部分にもズバズバ行くので、物語の推進力が生まれるんですよね。そう考えると、世の中の探偵キャラも結構そういうタイプが多いなと思いました」

――あらためて、栗原さんも物語の謎を解く鍵となっているんですね。YouTubeで配信されている動画は、「変な絵」に登場するブログ「七篠レン 心の日記」など、その世界観を完成させるための小道具を作り込まれているイメージがあります。そういった小道具を用意される際に苦労されている点はありますか?

「ホラーに出てくる小道具なので怖くないといけないんですけど、怖がらせるような作り方はしてはいけないと思っています。例えば、血だらけですごい形相で歯をむき出しにしている人の絵があったら、それは怖がらせるために描かれた絵というふうに見えてしまうと思うんです。でも、私が用意する小道具は、誰かが何の意図もなく作ったものなんだけど、なぜかちょっと怖く見えるという…その微妙なところを突きたいと思っていて。怖がらせるつもりはないけど、結果的にそれがはたから見ると怖く見えるという微妙なニュアンスを狙うのが結構難しいですね」

――ふと気付いた時にゾクッとする怖さを意識されているんですね。ここで雨穴さんの外見についてもお伺いしたいのですが、白いお面に黒の全身タイツという衣装について裏話があれば教えてください。

「お面はこの1枚だけですね。黒タイツに関しては、実は黒いズボンとTシャツを代用する時もあります。長袖のTシャツを裏返しにしてロゴを見えないようにしたりして…(笑)」

――貴重な裏話をありがとうございます!(笑)。ちなみに、タイツ越しの体形がとてもスタイルよく見えるのですが、鍛えられているのでしょうか?

「動画を撮る前に、ジョギングしたりしています。ちょっとだけですけど(笑)」

――体形維持も意識されているということで。動画ではミュージックビデオも配信されていますが、聴いていると癖になる作品が多いと感じます。曲を作る時にこだわっている部分はありますか?

「サビは特に、覚えやすいものにしたいなと。聴いたらすぐにまねして歌えるぐらい、シンプルで分かりやすいメロディーを作りたいなと思っています」

――小さいお子さんが雨穴さんのまねをして「踊ってみた」動画を公開したりしていますもんね。

「私も結構視聴させてもらっているんですけど、うれしかったです。小さい雨穴が…(笑)」

――とてもかわいいですよね。曲のジャンルも、ポップな曲調の「INTERNET WRITING MAN!!」から、不穏な雰囲気を醸し出す「怪」までさまざまですが。

「そうですね。似た曲にならないように、今までにやっていないパターンのものを作りたいなと毎回思っています」

――個人的に「INTERNET WRITING MAN!!」の最初の「UKETSU」の部分がかわいくて何回も聴いてしまいます(笑)。では最後に、日々過ごされる上で大事にされている考え方があれば教えてください!

「私生活も含めてなんですが、焦らないことですね。元々すごく焦りやすい性格で失敗したりもするので。話を執筆する時も、締め切りに遅れてしまうといろんな人に迷惑をかけちゃうんですが、あえてそこは気にせず焦らないようにしています(笑)」

【プロフィール】

雨穴(うけつ)
インターネットを中心に活動するオカルトホラー作家。全身黒づくめに白いお面という謎多き外見で、オモコロのウェブライターとしてオカルト系をメインに執筆中。YouTuber としても活動しており、登録者数は80万人超え、総動画再生回数も8000万回を突破している。また、自身初となる11万字書き下ろしの長編小説「変な絵」は32万部を超えるベストセラーとなっており、韓国、台湾、タイ、中国からも翻訳出版のオファーが殺到。ほか、40万部の大ヒットとなっている著書「変な家」の映画化も決定している。

【番組情報】

ドラマチューズ!「何かおかしい2」
4月4日スタート
テレビ東京ほか
火曜 深夜0:30~1:00 ※初回は深夜1:00~1:30

取材・文/鬼木優華(テレビ東京担当)

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