『ブラッシュアップライフ』で注目の個性派俳優・うらじぬの 知られざる素顔を明かす 初主演映画も公開へ…

数多くの舞台や映像作品に出演する俳優・うらじぬのさんにentaxが独自にインタビュー。うらじさんは先日最終回を迎えた日本テレビのドラマ『ブラッシュアップライフ』(主演・安藤サクラ、脚本・バカリズム)に出演。平凡な独身女性がある日突然タイムリープして赤ちゃんから人生をやり直す物語で演じたのは、主人公の小・中学校の同級生である島本加奈子(ぺーたん)役。現在Huluで配信中のオリジナルアナザーストーリー『ぺーたんのFirst Love』でも独特の存在感を放っている。

今年8月には直木賞作家・西加奈子さん原作の初主演映画『炎上する君』が公開される予定。初となる主演映画への意気込みや、そもそも俳優を志すきっかけとなった小学生時代の“ある体験”など、うらじさんの知られざる素顔の魅力に迫る。

ドラマ『ブラッシュアップライフ』に出演

■俳優・うらじぬの×entax独自インタビュー

――ドラマ『ブラッシュアップライフ』で島本加奈子(ぺーたん)役を演じた感想は

とても楽しかったです。北熊谷の地元の友達という同級生の役で、短期間ではありましたが、本当に皆さんと同級生みたいな気持ちになることが出来ました。

――またHuluオリジナルアナザーストーリーとして『ぺーたんのFirst Love』が配信中ですがいかが?

台本を頂いたときから、これを演じられるのかととても楽しみにしていたんですけど、実際やってみてスタッフの皆さんに楽しく撮っていただいて、私自身もすごく楽しかったですね。ぺーたんにこんなストーリーがあったとはと、改めて思って(笑)

『ぺーたんのFirst Love』Huluで配信中

――『ぺーたん』を演じる上でこだわった点は?

アナザーストーリーのほうで、ひょうきんなキャラクターというふうに出てきたので、“あっ、ひょうきんなキャラクターなんだ”と思って(笑)。何にでも興味があって「何? 何?」みたいな感じの人になれるように意識してやりました。

――演技をする上で、大切にしているポイントは?

キャラクターの年輪みたいなものがあると思うんですよ。これまでこうしてきた人となりみたいなものが、ちょっとでもにじみ出るようなお芝居ができたらいいなと思っています。

――3年後、5年後に、どうなっていたいですか?

自分が関わったシーンで、作品に貢献できるような、縁の下の力持ちじゃないですけど、力添えをしていけるような俳優になれたらいいなと、脇役、バイプレーヤーといいますか、そういうポジションで活躍できたらいいなと思っています。

――そもそも俳優を志したきっかけは?

小学生の頃に社会科の授業で、好きな時代を発表してくださいというのがあったんですけど、2人ペア組んでくださいというときに、クラスの男の子と一緒に原始時代の『アウストラロピテクス(初期の人類)』を発表しようということになって(笑)発表媒体は何でもいい、ということだったので、みんなが思いつかない違う方法はないかなと考えている中で、アウストラロピテクスを実際に教室に呼んでみんなに質問してもらう形式を思いつきました。MC1人とアウストラロピテクス1人で行こうということになり、本番は私がアウストラロピテクスをやりました。結構みんな喜んで楽しんでくれて、演じるってこういうことなんだと、皆に楽しんでもらえるんだと思ったら、なかなかいいなとお芝居に興味を持ち出しました。

名脇役・バイプレーヤーを目指して奮闘中

――憧れの俳優さんはいますか?

この方を見たからお芝居を始めた、というのは正直ないんですけど、アウストラロピテクスで演じたものが、「お芝居」というものであって、それがお仕事として存在しているんだということをだんだん中学・高校と進むうちに知り、高校では演劇部に入部、その後、実際にお芝居を学んで自分もやっていきたいなと思い、大阪芸術大学に行って勉強することを決めました。

――そして、いよいよ初の主演映画『炎上する君』が公開されますが…

初めての主演映画だったので、主演・主役というのは難しいんだなと改めて学びました。主役は、作品に関わる皆さんの思いや出来事なりを受け止めていくポジションだと思います。『炎上する君』は、梨田と浜中という2人の主人公の話ではあるんですけど、ふくだ(ももこ)監督的には、いろんな炎上する人たちが作品に出てきて、その炎上の炎を見た梨田と浜中がどうなっていくのかを作ってくださっていたので、いろんなキャラクター達が物語を紡いでいって、それを最後、こうなったよと体現するポジションの人が私(主役)なんだなと。作品の主軸であるという責任を感じましたし、たくさんの方に支えてもらっているなという気持ちが強くありました。

――監督やプロデューサーからの指名で数多くの作品に引っ張りだこであることについて

引っ張りだこなのかな(笑)引っ張っていただいて、ありがとうございます(笑)また呼んでくださって2回3回とお仕事をさせていただけることが一番うれしいなといつも思っています。再度呼んで頂けたときは、求められたポジションの仕事がしっかりできたということなのかなと捉えています(笑)

8月には初の主演映画も公開予定

――コメディーからシリアスまで存在感のある演技で観客を魅了し続ける秘けつとは?

こだわっている点、そうですね。自分をなるべく客観的に見られたらいいなと思っていまして、私という人間が画面なり舞台なりに出てきたときに、自分がお客さんだったらどういうふうに存在していてほしいかみたいなことを、どっぷり入りすぎずにそこから考えたほうがいいのではないかなと思いまして。どういうふうに思ってもらえるだろうかということを考えて、自分のキャラクターを形成していくみたいな感じです。

――役に対してNGはないですか?

ないです、たぶん役って無限にあると思うので、もしかしたら人間以外の役もあると思うんですけど、無限にあるものにはすごく興味があります。

――今後チャレンジしてみたい役は?

演じる役は無限にあると思うので、自分が想像していない、出会ったこともない存在みたいなものってたぶんいっぱいあると思うので、そういうものに出会えたらワクワクしていいなあって思います。

――演技を通して、見る人にどんなことを感じてほしいですか?

見てくださった方から、作品の内容にもよると思うんですけど、「元気が出ました」とか「ちょっとホッとしました」みたいに言っていただけることが結構多くて、そういうときすごいうれしいなというか、やっていてよかったなと思えるので、アウストラロピテクスでクラスの子が喜んでくれたときもそうですけど、ちょっと笑顔になってもらえたりとかできたら、幸いなのかなと思ってやっています。もうアウストラロピテクスを演じた時の記憶はあんまりないですけど(笑)その時とずっと同じ感覚ではいるような気がしています。

【Profile】うらじぬの
1989年、千葉県出身。大阪芸術大学卒業後、劇団子供鉅人に入団。2016年、レプロエンタテインメントに所属。数多くの舞台、映画やドラマなどの映像作品に出演し、コメディーからシリアスまで独特の存在感のあるキャラクターを演じてきた。日本テレビ・2023年1月期放送の『ブラッシュアップライフ』では島本加奈子(ぺーたん)役を熱演。2023年4月には初のひとり芝居『押忍、わたしたち』を上演。8月には直木賞作家・西加奈子原作の初主演映画『炎上する君』が公開予定。

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