「心に刺さる」 鈴木愛を変えたレジェンドとの2日間

レジェンドの言葉を胸に2年ぶりVヘ(撮影/石井操)

◇国内女子◇ヤマハレディースオープン葛城 2日目(31日)◇葛城ゴルフ倶楽部 山名コース(静岡県)◇6480yd(パー72)

2年ぶりの優勝に向け、鈴木愛が通算10アンダーで単独首位に抜け出した。結果が出せずに苦しんだこの数年のモヤモヤは、今年の開幕戦で消え去った。「今は楽しくゴルフができています」と笑顔を見せた。

転機は4週前の「ダイキンオーキッドレディス」予選ラウンド2日間。ツアー通算50勝の「不動裕理」とプレーした。プロ生活11年目でも、レジェンドと回るチャンスは今まで一度もなかった。

「聞きたいことがすごくあって、いつ回れるんだと思っていました」と待ちに待った機会に質問が止まらなかった。「不動さんも、ひくくらい(笑)。ここではちょっと言えないけど、心に刺さるものが沢山あった」と、もらったアドバイスは練習のやりかたやモチベーションの持ち方、プレッシャーと向き合う方法など多岐にわたる。

練習方法ひとつとっても、自分が取り組んだことのない方法を行う大先輩に探求心をくすぐられた。「もうちょっとチャレンジしてみようと思いました」と刺激を受け、ゴルフを楽しんでプレーできている。

「自分もやってみよう、と考えさせられた。そこからあまり気持ちを切らすことなくラウンドできています」と今週は連日の「67」をマーク。2位に3打差をつけて単独トップに立った。

2019年に2度目の賞金女王に輝いたが、21年「資生堂 レディス」以来優勝からは遠のいている。一時はモチベーションを保つことも苦しかったが、大先輩を前に下を向いてはいられない。「不動さんを見ると、私って大したことない。もっと色々できる」とツアー18勝目へ気合を入れた。(静岡県袋井市/谷口愛純)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン